2022 Fiscal Year Annual Research Report
文意一貫性と意外性を備えた独創的な文を人間と協調して生成する人工知能の研究
Project/Area Number |
20K11958
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡田 真 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 助教 (40336813)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 深層学習 / 自然言語処理 / 文意一貫性 / 文書生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本申請における文意一貫性をはじめとした文書中の意味情報をモデル中に組み込む手法を中心に研究を進め,国際会議論文 2 編を上梓した.1 本はアスペクト情報を考慮したカスタマーレビューの文書分類手法である.本論文ではアスペクトと呼ばれるユーザの興味や嗜好の対象とそれらに対する評価 (好評,不評など) といった内容に踏み込んだ評判分析を行うために,複数のアスペクト情報それぞれについて深層言語モデル BERT でファインチューニングをしてアスペクト情報ごとの小分類器を生成する.それらを用いてアンサンブル学習することでアスペクト情報の判別精度を向上を図り,既存の手法よりも高い精度で推定可能とした.もう 1 本では文書中の意味情報をグラフ構造で表現して扱う知識グラフ (Knowledge Graph, KG) を付与されたデータセットを用いて文書中の単語などの要素間の関係を推定するモデルを提案した.さらにそれを推理小説から構築されたデータセットに適用してモデルを構築して,犯人を推定するタスクに取り組み,従来の手法ではできていなかった文章の時系列を考慮した推定を可能とし,犯人推定もよい精度を得た. 研究期間全体では,「文意一貫性と意外性を備えた独創的な文を人間と協調して生成する人工知能の研究」として,文意の一貫性やそれを考慮した文生成として深層言語モデルをベースとして文書生成モデルを提案して,その成果を複数の国際会議論文および原著論文として上梓した.さらに文意一貫性や意外性を考慮するために必要な文書中の潜在的意味情報を考慮する手法について研究して,その結果を国際会議論文などで上梓した.昨今の chatGPT などの巨大深層言語モデルによる文書生成の隆盛より,本申請の研究の着眼点は適切であり,その成果は社会で実現されつつあるといえるだろう.
|
Research Products
(6 results)