2022 Fiscal Year Annual Research Report
認識および動作制約を利用した手作業における熟練技能の解明
Project/Area Number |
20K11966
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山野辺 夏樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90455436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 浩光 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (30781215)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 技能継承 / 動作解析 / 形式知化 / 動作モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、手作業における熟練技能を明確化し、保存・継承できる形で形式知化することを目標とする。手作業における熟練技能は、認識・判断・動作実行、またそれらの連動といった多様な側面における上達が必要な複雑なものである。ここでは、手先にかかる反力に応じて動きを細かに制御する必要があり、編み目形状等の外観から作品の巧拙評価が可能な編み物を対象として、その技能のモデル化を行う。 本年度は、これまでに提案してきた編み目形状の均質さに基づく巧拙の評価指標に基づき、手先動作と編み目形状の関連性について定量的な解析を行った。肘を机上に固定、もしくは自由状態にした異なる作業条件のもとで編み作業中の手先の位置・姿勢変化と指先にかかる反力を計測した。計測した手先動作と作成された編み目形状の画像解析結果とを比較することで、整列した編み目を生成するためには、針先に糸を引っ掛けて手元に引き上げたり、輪から引き抜いたりする「引き」動作が重要であること、その際に糸の引き量と引く方向を一定にする必要があることを示した。また、作業中の視覚情報についても計測し、引き動作中の糸の引き量が目視で確認されていることも明らかにした。さらに、編み作業を複数の単位動作に分割し、各単位動作とその遷移をLSTMで学習することで編み動作のモデル化を行った。この動作モデルにより計測データの自動分節化が可能となり、単位動作の比較により編み動作の評価が可能となる。
|