2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and Implementation of Real World Scale Artificial Evolutionary Algorithms
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20K11967
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
棟朝 雅晴 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (00281783)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進化計算 / リンケージ同定 / 多目的最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度においては、高性能かつスケーラブルなリンケージ同定アルゴリズムによる進化計算アルゴリズムの開発ならびに評価に加えて、その多目的最適化問題への展開について研究を行った。 高性能かつスケーラブルなリンケージ同定として、分解問題を組合せ最適化問題とみなして実変数GAの非線形性チェックによるリンケージ同定(LINC-R)に基づくリンケージ測定関数(Linkage Measurement Function, LMF)を提案し、その結果を用いた距離ベース選択付き修正微分進化 (Modified Differential Evolution with Distance-based Selection, MDE-DS)を開発することで、目的関数にノイズがある場合でも最適化を加速できた。 また、大規模多目的問題のための協調共進化に基づく変数グルーピング法(Linkage Measurement Minimization, LMM)を提案し、推定収束点に基づくガウスサンプリング演算子を用いたハイブリッドNSGA-IIとして実装した。部分問題の最適化において、パレート・フロントの周辺にはより良い解が存在する確率が高いという仮説を立て、この仮説に基づき最適化の各世代で収束点を推定し収束点付近でガウスサンプリングを行うことで、一般的な変数グループ化手法よりも優れていることが確かめられた。 さらに、依存関係行列による手法 (Dependency Structure Matrix with Linkage Identification, DSM-LI) を開発した。最新の差分進化の手法はノイズに敏感であるが、ノイズのある環境でも分離可能な決定変数と分離不可能な決定変数の間の強度に差があることが多く、この相対的な差を分離可能性を分類するのに役立てることでよりノイズに強い手法を開発することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模最適化問題(Large-Scale Optimization Problems, LSOP)を解決するアルゴリズムとして、これまで提案されてきた分割統治に基づく協調的共進化(Cooperative Coevolution, CC)の性能を上回るアルゴリズムを開発することができた。さらに、これまで取り組まれてこなかった多目的最適化問題へも対応するアルゴリズムとして、変数グルーピング手法を導入した多目的進化計算アルゴリズムを開発し、その性能を代表的なベンチマーク問題で検証することで一般的な変数グルーピング手法よりも優れていることを示しており、当初の目的をおおむね達成しているものと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の最終年度(令和4年度)までに想定された研究目標を達成しているが、令和4年度中に投稿した国際会議論文が、進化計算分野の主要な国際会議の一つであるIEEE CEC2023に採択されているため、研究期間を延長し、令和5年7月に発表を予定している。そのフィードバックを受けてアルゴリズムを改善し、今後の研究を発展させる計画である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍もあり、特に海外での学会発表のタイミングに遅延を生じ、旅費などの執行が遅れたためである。 補助事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施として、学会参加、論文投稿などに使用する計画である。
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