2021 Fiscal Year Research-status Report
時間経過に伴い変化する動的システムのための進化計算手法の開発と応用研究
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20K11972
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林田 智弘 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20432685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広谷 大助 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (30432686)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的システム / 進化計算 / 長期メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,本研究課題の目的としてあげていた,目的 (ii) 動的システムのための長期メモリを用いた最適化手法の開発,(iii) 動的システムに対する最適化ルール抽出手法の開発に着手した.また,問題①「動的生産計画問題」の数値実験の結果を詳しく解析した. 目的(ii) においては,長期メモリを用いた並列分散型の遺伝的プログラミングを開発した.具体的には,遺伝的操作の対象となる個体群を独立して解探索を行う複数の部分個体群に分割した場合の解探索手法を開発した.問題①として,さまざまな規模の動的生産計画問題を一般的に記述可能な形で定式化し,目的(ii)で開発した最適化手法を適用した数値実験を実施し,提案手法の有用性を検証した.本研究で開発したシステムをプログラム実装することで,問題①で定式化された動的生産計画問題(動的スケジューリング問題)に適用した数値実験を実施し,これにより提案手法の有用性を確認した. これらの研究成果は,2021年12月に発行された電気学会論文誌Cに論文が掲載され,2021年5月に開催された第65回システム制御情報学会研究発表講演会,および2021年7月に開催された2021 IEEE SMC Hiroshima Chapter 若手研究会において発表した. 目的(iii)に関しては,遺伝的プログラミングにより得られたルールを効率的に整理し,有用なルールを抽出するためのソフトウェア開発に着手している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究計画として挙げていた,(ii) 動的システムのための長期メモリを用いた最適化手法の開発,問題①「動的生産計画問題」への適用実験により提案手法の有用性の検証まで完了している.また,目的(iii)にも着手している.一方で,現実的な動的環境に関する定式化として2021年度に予定していた,問題③ 「小売店の仕入れ量最適化問題」問題④ 「時間割決定問題」の調査・定式化については,COVID-19の影響によりは着手できていない.このため,「(2)おおむね順調に進展している。」と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,研究計画(iii) GPを基礎とする動的システムに対する最適化ルール抽出手法を開発する.また,現実の動的環境の例として,問題②「人流予測に基づく空調最適化問題」,問題③ 「小売店の仕入れ量最適化問題」,問題④ 「時間割決定問題」などに関する実問題への適用研究を実施し,動的環境に対する最適化手法の有用性についてさらに検証を進めるとともに,最適化ルールの抽出も実施する予定である.
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Causes of Carryover |
研究計画では,2021年度に実問題の調査等のための旅費を計上していたが,COVID-19の感染拡大の影響により実問題の調査が実施できず,2022年度に実施期間が延期となり次年度使用額が生じた.このため,2021年度の直接経費1,100,000円のうちの513,594円を2022年度使用することとして,2022年度の直接経費をこれと合算すると1,413,594円となる. 2022年度には当初の研究計画の通り,本研究の成果として獲得されたスケジューリングのためのルール分析および有用性の検証の実施,国内学会・国際会議・学術論文などでの研究成果を広く公表する.これらに加えて,2021年度にCOVID-19の影響で実施できなかった,実問題の調査と提案手法を適用した実践的研究のために使用する. 内訳は,物品費300,000円,旅費1,000,000円,人件費・謝金23,594円,その他90,000円の合計1,413,594円を予定している.
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Research Products
(4 results)