2022 Fiscal Year Annual Research Report
大域的多峰性探索空間における未知解探索アルゴリズムの深化
Project/Area Number |
20K11986
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 功 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (00304551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブラックボックス最適化 / 大域的多峰性 / 自然進化戦略 / 分布推定アルゴリズム / シンボリック回帰 / 巡回セールスマン問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主な研究成果は以下の研究1~4のようにまとめられる.研究1では,大域的多峰性ブラックボックス関数最適化を対象として,既存手法の,1) 既探索の大谷を重複して探索してしまう問題,2) 生成された初期化領域が前反復までに探索された領域を含んでしまう問題,3) 探索空間の狭い領域に初期化領域が生成されることがある問題に対処した新たな自然進化戦略に基づく大谷探査手法を提案し,困難な大域的多峰性の問題クラスとして知られるUV構造を有するベンチマーク関数,および,UV構造の存在が示唆されているレンズ系設計問題において,提案手法が既存手法を凌駕する探索性能を示すことを確認した.研究2では,シンボリック回帰を対象として,大域的多峰性を有する問題クラスにおいて既存手法が正解の式を発見できないという問題点に対処した新たな分布推定アルゴリズムを提案し,代表的なベンチマークセットにおいて,提案手法が既存手法を凌駕する探索性能を示すことを確認した.研究3では,巡回セールスマン問題を対象に,集団内のエッジの多様性維持に優れた閾値付き枝エントロピーを用いたマルチペアリング世代交代モデルとその並列版世代交代モデルを提案し,9882都市から33,708都市のベンチマークインスタンスにおいて提案手法が既存手法を凌駕する探索性能を示すことを確認した.研究4では,ブラックボックス関数最適化において大谷構造を仮定し,自然進化戦略xNES(Exponential NES)のための,自然勾配の推定精度に着目した学習率の適応方法に関する検討を行った.その結果,代表的な単峰性と多峰性のベンチマーク問題を用いて,学習率適応を行うxNES(提案手法)と学習率適応を行わないxNES(既存手法)の性能比較実験を行ったところ,提案手法が既存手法よりも優れた探索性能を示すことを確認した.
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Research Products
(6 results)