2020 Fiscal Year Research-status Report
適応的モジュール選択と動的システム学習に基づく多目的進化計算手法の開発とその応用
Project/Area Number |
20K11997
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
立川 智章 東京理科大学, 工学部情報工学科, 准教授 (90633959)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多目的進化計算 / 適応的交叉選択法 |
Outline of Annual Research Achievements |
進化計算の各ステップはモジュール化が可能して交換することが可能であり、問題に応じて良い組合せをすれば収束性,多様性の向上が期待できる.しかし事前に最適な組合せを決めることは困難である.そこで本研究では適応的アプローチをとる.各世代の評価結果に応じて各モジュ ールを適応的に選択し,進化計算の効率化を図る. まず、初年度は進化計算の各モジュールが最適化結果に与える影響を評価し、適応的交叉選択法の検討を行った.また,提案手法と既存手法の性能比較を行うために,並行して多目的最適化問題から得られる非劣解集合の特徴評価指標についても検討を進めた. 適応的交叉選択法では,性能評価指標に基づき各交叉手法によって得られた解を評価し,その評価値から各交叉手法の選択確率が計算される.性能評価法が正しく動作している場合,問題に適した交叉手法の選択確率が高くなることが期待される.しかし,交叉手法プールに多数の交叉手法を使用した場合,必ずしも性能が良くなるわけではなく,単独の交叉手法より性能が劣化しているケースが見られた.これは用意した交叉手法において,問題に適していない交叉手法が含まれている可能性が考えられる.また各交叉手法に割り当てる選択確率の最小値による影響も考えられる.以上の二つの可能性に着目して数値実験により検討を進めた. 非劣解集合の特徴評価では,多目的最適化問題を進化計算手法を用いて非劣解集合を見つけることを前提とする.この時,一般にその手法の性能は収束性と多様性の特徴の観点から評価されることが多い.先行研究から,多様性に関しては均一性、広がり、密度の観点に細分化することができる.本年度はまず進化計算で代表的な評価指標であるGD、IGD、HVに注目し、特に3目的空間の場合についてこれらの指標の有効性について調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は進化計算の特に適応的交叉選択法が最適化結果に与える影響を評価した.交叉手法プールに含める交叉手法を変化させた際の比較を行うとともに最小選択確率の変化を調べた結果、一般に用いられている代表的な交叉手法であるSBX、DEを含めるだけで性能が向上すること、最小選択確率は小さくした方が良いことがわかった.これらの結果を踏まえ、交叉選択方法の提案を行っていく予定である.一方、並行してパラメータの次元削減方法の検討を初年度に行っていく予定であったが、準備は進めているものの進捗が多少遅れている.対外発表含め、進捗を早める必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,動的にシステムのパラメータ,アルゴリズムのハイパーパラメータを蓄積された探索データを用いて削減,推定することを行っていく予定である.機械学習で用いられている各種非線形回帰手法や次元削減手法を用いてパラメータを次元圧縮を行うとともに,動的システム学習を用いて ハイパーパラメータを推定する. また、アルゴリズムでは並列評価に適した解の優劣評価指標を用いて集団サイズの大規模化の検討を進め,最適化のさらなる効率化を図る. 以上より,適応的選択法,パラメータの次元削減法,ハイパーパラメータの推定法を実現を進め,それらを並列実装することで高効率な進化計算手法を構築に取り組む.開発した進化計算手法をベンチマーク問題および実問題に適用し,有効性を実証する. 多目的進化計算の研究,特に多数目的最適化手法に関してはこの数年,世界的に非常に活発に行われていることから3年間で成果を出すこと目指す.
初年度は進化計算の各モジュールが最適化結果に与える影響を評価した.今年度は適応的選択法の提案を行っていくとともに、遅れているパラメータの次元削減法の実装を行っていく.並行して適応的選択法の並列化を進め、ハイパーパラメータの推定法の検討・提案を行っていく.特に初年度は対外発表の実施ができなかったため、今年度は積極的に学会発表および論文投稿を行っていく予定である.
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