2020 Fiscal Year Research-status Report
高エラーな不揮発メモリを用いた低消費電力ニューラルネットワークデバイスの提案
Project/Area Number |
20K12003
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
荒井 礼子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (50431755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 書き込みエラー率 / 磁性メモリ / 電圧書き込み / 確率密度関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
電圧書き込み型磁性メモリについて、磁気異方性のばらつきに起因した書き込みエラー率の分布を明らかにした。 まず、磁化ダイナミクスシミュレーションにより、書き込みエラー率と磁気異方性の関係を明らかにした。その結果、電圧パルス幅を固定した時、書き込みエラー率は磁気異方性の関数として単純な解析式で表せることがわかった。次に、磁気異方性が正規分布に従ってばらついている状況を仮定し、書き込みエラー率の確率密度関数を解析的に導出した。確率密度関数の解析から、その形状を分類する条件を明らかにした。さらに数値シミュレーションを併用することにより、書き込みエラー率の分布(ヒストグラム形状)が磁気異方性のばらつき度合いに強く依存することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進展に伴い、確率密度関数が解析的に導出できることがわかり、その解析に注力したため。
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Strategy for Future Research Activity |
情報喪失エラーにおけるエラー分布を明らかにする。情報保持時間が短い場合、つまり磁気異方性が小さい場合や高温動作を想定すると、情報喪失が頻繁に起こりえる状況となる。この場合も、磁気異方性のばらつきに起因して、情報喪失エラー率になんらかの分布が生じると考えられる。初年度に確立した方法を基に情報喪失エラー率の分布について明らかにし、重みなしニューラルネットワークによる多クラス分類へ応用する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、国際会議や学会への参加を取りやめた、あるいは開催中止となったため。
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