2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative exposure frequency evaluation method of physical contact risk of human-friendly robot considering environmental information
Project/Area Number |
20K12006
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
琴坂 信哉 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30334147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボット安全 / リスクアセスメント / 暴露頻度 / 定量的評価 / 環境情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,狭隘空間でのロボットの移動に関する安全性の定量的評価手法の開発のため,狭隘空間での暴露頻度評価手法の開発,および,暴露頻度評価のための人体運動計測システムの構築を行った.前者に関しては,ロボットと人の移動速度を考慮した危害の大きさの評価,および,狭隘空間を想定した評価方法として,従来の評価手法に最小距離,接近状態での相対接近速度の平均,接近状態での仮想衝突余裕時間の逆数の平均を利用した評価手法を検討した.後者に関しては,以前の研究に用いた計測システムのレンズ系などを見直すことにより,広域を捉えることのできる複数カメラシステムと3次元位置計測ソフトウェアを組み合わせた人体運動計測システムとしての再構築を行った.また,狭隘空間を模擬的に再現できる可動式の仕切りを用いた実験環境の構築を行った. 今年度は,上記の実験環境を用いて,狭隘空間としてT字路,L字路などの廊下環境を想定した運動計測実験,比較実験として直線状の廊下を含む人体運動計測実験を予備的に行い,評価手法の有効性評価実験を行った.人とロボット役の人間の交差の状況や,タイミングなどを変更したいくつかの条件のもとでの動作計測実験を行い,想定されるリスク評価結果を得ることができ,開発した評価基準の有効性を確かめることができた. 現在,Safety 2.0と呼ばれるロボットと人間が協調して作業を行うための新しい安全の考え方が提案されている.機械と人間の協調安全の実現に向けて,本手法の有用性を提案していきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
目標としていた暴露頻度評価手法,狭隘環境を模擬できる実験環境の構築,人体運動計測装置の構築を行うことができた.また,被験者の人数が少ない予備的な実験ではあるが,計測実験を行い良好な結果を得ることができている.しかし,本実験は,実験の被験者が密になる状況を作り出し,その運動を計測することが必要である.2020年度は,新型コロナの感染の影響により,大学施設が利用できない,また,被験者が密になる状況の実験は倫理的に問題があることから,やむなく実験を中止せざるを得なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本報告を執筆時点でも,東京都で緊急事態宣言が発令されており,大学内でも新規感染者が出ていることから,現時点では実証実験を行う目処は立てられない状況である.今後の方策としては,感染状況が改善することを期待して実証実験の準備をしておくと同時に,実際の移動ロボットを用いた密の状況を作らない実験方法の安全性を担保する方法を検討し,実機を用いた運動計測実験方法の構築を試みる.2021年度よりスタートする周辺環境モデルの利用の拡張に関しては,適宜,進めていくものとする.
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大の影響を受けて,本研究の実験継続に支障が出たため.次年度の実験消耗品の購入に使用する.
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