2021 Fiscal Year Research-status Report
生理的個人差に着目した人種間の色覚の多様性とその機序の解明
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20K12017
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山内 泰樹 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60550994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 色覚の個人差 / 心理物理実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたる令和3年度は,初年度に整備した簡易的に色覚特性を測定する実験装置を含めた環境整備,並びに実験方法の決定並びにプログラムの作成,及び海外での実験に向けた調整およびタイ国での実験装置の構築を計画していた. しかしながら,コロナウィルスの感染拡大による非常事態宣言に伴う在宅勤務や実験室滞在時間の制限等により,実験装置の調整並びに最適化を完了するには至らなかった.海外において使用予定のポータブル装置と,本学で構築済みの色覚測定装置との相関特性も上述した理由により完了することはできなかった.しかしながら,構築済みの色覚測定装置に関しては,経年効果による劣化やもともとの構造上の欠陥(故障しやすい構造部)に関しての,精度検証や装置改良を行うことはできた. 個人の色覚特性を測定する一つのパラメータとして,昨年度以来注目してきた明るさ効率に関して,ディスプレイを用いた多くの被験者を用いた実験を実施し,明るさ効率と等色関数との相関性がみられることを示し,学会においても発表を行なった.その他の心理物理実験に関しては,特にカラーネーミングについては,初期検討にとどまってしまった. 海外での実験準備一般に関しては,コロナ感染からの渡航禁止により,ハードウェアの移設や人的交流を行うことは叶わなかった.メールベースでのやり取りで,こちらの実施方針についての共有できているので,ハードウェアの構築や移設も含め,ワクチン接種やコロナ感染の狭間をピンポイントで狙っての渡航など,迅速かつ効率のよい対応を計画している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルスの影響で,海外での実験に全く着手することができず,装置の設置すらできていない.異文化間の色覚特性の違いを明確にするための心理物理実験の準備も,緊急事態宣言等の影響から予定通りには進まなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎える本年度は,国内で心理物理実験を行い,まずは日本人の色知覚特性を明確にすることが最低限の目標である. 海外でのデータ収集については,生理的データを収集した被験者に対して心理物理実験を行い,両者の相関をとりつつ国際的な比較を実施する予定であったが,海外渡航が激しく制限されている現在では,実験を通じた生理的データの収集が難しくなっている.心理物理実験を実施するプログラムを協力研究者に送り,その結果からメカニズムの違いを推定できるような準備を行うとともに,データの共有方法をどのようにするかの検討も実施していく.
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Causes of Carryover |
海外出張,国際学会参加等を予定していたが,コロナウィルスによる活動制限,渡航制限により渡航が叶わず,当初予算よりも支出が少なくなった.成果発表を行なった国内学会もオンライン開催となり,緊急事態宣言発出地域への出張禁止等の影響で,国内旅費についても当初計画していたほど,出張費を費消できなかった. 次年度にコロナ感染が落ち着き,海外渡航が許可されれば,海外出張の滞在をできるだけ長くするなどで,当初計画を挽回できるよう実験時間を多めに取る予定である.海外渡航禁止期間が延びるようであれば,実験装置の追加製作し,現地に郵送するなどして,現地協力研究者に実験の遂行を依頼する可能性も踏まえて計画を再編する. 本年度は,ワクチン接種等により感染の状況が下火になった状況での海外出張,実験結果等の学会での発表等も予定しており,学会での発表に際しての参加費,および被験者実験の謝金として研究費を使用する計画である.また,当初予定よりも心理物理実験に注力するため,色再現特性に優れた表示システムの構築への研究費を使用する.
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Research Products
(2 results)