2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on physical factors of visual, auditory and tactile sensations that determine confortness/discomfortness of active touch
Project/Area Number |
20K12024
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秋山 庸子 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50452470)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 触覚 / アクティブタッチ / 摩擦 / 加速度 / 周波数解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、快・不快を物理的指標によりに定量化することであるが、その基礎的検討として、素材による違いの特徴抽出を行った。その際、ヒトの手によるアクティブタッチの特徴を定量的に把握するため、被験者の指先に小型の6軸加速度センサーを装着して触対象を一定速度で往復運動して触る場合と、センサー(摩擦子)部分に同じ加速度センサーを装着した機械によって往復で摩擦する場合について、比較を行った。 具体的には、触感が少しずつ異なる4種類の繊維素材をを、機械および指先で一定方向にそれぞれ10 mm/s,40 mm/sでなぞるときの3軸の加速度の時間変化について、サンプリング周波数1000 Hzで測定し、周波数解析を行った。このことにより、ヒトと機械のなぞり動作について比較することで、アクティブタッチの特徴を掴み、さらに素材による違いを判別することで、触感の微妙な違いを物理的に明らかにすることを目的とした。 4種類の繊維素材の加速度の時間変化のデータについて、ウェーブレット変換、高速フーリエ変換を行った。また、加速度の時間変化の自己相関係数のスカログラムを求めた。各繊維素材の高速フーリエ変換の結果から、機械によるなぞり動作においては、プローブの接触面と素材表面の凹凸に関連すると考えられる周波数帯の積算値に、各素材に対して有意差がみられた。特に、摩擦子の進行方向に対して垂直な方向において有意差がみられた。一方、ヒトの触動作の加速度にも素材による差が見られたが、ばらつきやノイズが大きく、全ての素材に対する有意差が得られなかった。 以上の結果から、ヒトと機械のなぞり動作は異なることが見いだされ、機械による摩擦動作から、素材の判別が可能であることが明らかになったが、素材による動作の違いの特徴をヒトの動作から抽出するためには、摩擦の方法や速度などに工夫が必要であることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加速度センサーによって得られた時系列データをもとに、素材の判別ができることが明らかになり、また特徴的な素材間の違いが現れる周波数が、材料の微構造に関係していることも明らかになった。快・不快の判別のための第一段階として、材料の特徴を掴めたため、次の段階として、ヒトのアクティブタッチの定量化の手法を確立するとともに、素材の触感の官能評価と物理量との相関を調べることで、快・不快と物理量との関係も明らかになると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は加速度センサーを用いてアクティブタッチの特徴を掴むことに注力したが、今後は視覚・聴覚の影響も取り入れた素材の判別、さらには快・不快の物理的特徴の解釈を行う予定である。すでに聴覚刺激を被験者に与えるための高感度のコンクリートマイクを準備しており、2021年度以降は触覚以外の因子についても取り入れた検討を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、大学の活動基準の変更に応じて学外への出張自粛期間があったこと、また学会や研究会その他の学外者との打ち合わせ等が全てオンライン実施に変更されたため、予定していた旅費の支出が無かった。
|
Research Products
(1 results)