2020 Fiscal Year Research-status Report
日本の「かわいい」ファッションの特徴量の抽出・定量化と、その位置付けの可視化
Project/Area Number |
20K12032
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 典子 芝浦工業大学, SIT総合研究所, 教授 (00317364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRIPIAN PEERAYA 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (70822542)
宮武 恵子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (40390124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | かわいい / ファッション / データベース / 彩度 / カラフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の「かわいい」ファッションの特徴量を抽出・定量化し、その位置付けを既存の著名ファッションブランドを含めた特徴量空間上で可視化することである。初年度は、研究実施の手順に従い、以下を実施した。 1.信頼性の高い学習結果を得るために、研究分担者(宮武)のファッションエキスパートとしての知見に基づき、「典型的」な「かわいい」ファッションの画像のみでデータベースを構築した。データベースの種類は、「クラシック・レトロ・ドール」(以下「クラシック」)、「オーソドックス」、「ストリートカワイイ」(以下「ストリート」)の3種類とし、それぞれ100画像を収集した。 2.このデータベースの画像の特徴を確認する目的で、それぞれの画像から、これまでと同様の特徴量(彩度とcolorfulness)を算出し、既に構築している原宿系かわいいファッションのデータベースの抽出結果と比較した。その結果、「クラシック」と「オーソドックス」は両特徴量で極めて類似しており、「ストリート」は、それらよりも値が大きいが、「原宿系かわいい」と比較するとはるかに小さな値であることがわかった。これらの成果は、2020年9月および2021年3月の日本感性工学会大会で発表し、また2021年7月のHCI International 2021でも発表予定である。 3.当初の予定では、その後にアンケートを用いた機械学習モデルで特徴量を抽出・定量化することになっていたが、これは未達である。 4.なお、2019年度まで実施していた基盤研究の成果(「原宿系かわいい」のデータベースの構築と新特徴量の抽出)は、2020年度に査読付き論文として公表した。またその関連研究である「かわいいピンク色」の調査研究結果も、2020年9月および2021年3月の日本感性工学会大会やISASE2021で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、データべースの構築と既存の特徴量の確認後に、アンケートを用いた機械学習モデルで特徴量を抽出・定量化することになっていたが、これは未達である。 その理由は、コロナ禍における種々の社会情勢や大学内の体制の変化により、生命倫理工学研究審査の申請が遅延したこと、また企業との打合せが難しく機械学習モデル計算用PCの選定が遅延したこと等である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に達成できなかった以下を行う。 1.構築したデータベースを用いて実施するアンケート結果を入力とし、深層学習アルゴリズムを調整して適用し(その際に研究分担者の画像処理に関する先見的知識を用いる)、「かわいい」ファッションの特徴量を抽出・定量化する。 さらに、令和3年度の実施計画にあった以下を行う。 2.既存の著名ファッションブランドのデータベースを構築し、「かわいい」のデータベースと同じ手順で、アンケート結果を入力とした機械学習モデルにより、ファッションの特徴量を抽出・定量化する。 なお、かわいいの機械学習モデルの構築経験のある研究者を研究分担者として加えるという対応策により、過年度の遅れを取り戻せるものと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度は、コロナ禍により、国外で開催予定だった国際会議や国内で開催予定だった国内会議がことごとくオンライン開催となり、旅費が不要となった。 2021年度もコロナ禍の状況は不透明で、欧米で開催される国際会議への日本からの参加は見通せないので、参加申し込みが難しい状況にある。年度末や次年度での使用を予定したい。
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Research Products
(10 results)