2021 Fiscal Year Research-status Report
感情推定に向けた複数センサによる呼吸データベース構築と呼吸による感情推定
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20K12047
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
神谷 幸宏 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (10361742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小栗 宏次 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (00224676)
河中 治樹 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (90423847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感情推定 / 生体信号処理 / 生体信号データベース / ARS / 信号解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸による感情推定データベース作成を目指し,信号処理手法の提案を行った。これまで代表者が提案してきたAccumulation for real-time serial-to-parallel converter(ARS)は,特に低い周波数でDFTなどより高い解像度が得られる特徴がある。具体的にはサンプリング周波数の10 %程度以下で離散フーリエ変換(DFT)より高い周波数解像度が得られ,呼吸をはじめとする生体信号の解析では大きなメリットがある。その一方,複数の周期信号が含まれる信号の解析を行う際には,それらの信号の間に電力差があると,弱い信号が強い信号に覆い隠されてしまう問題があった。この問題を解決し,最大で50 dB程度の電力差がある信号が存在する場合でも,弱い信号の検出を行う方法を確立した。しかし,その一方,計算量が低いARSに比較して提案手法の計算量は大きなものとなるデメリットもある。 加えて信号処理の面ではARSや提案手法を事変信号に応用する研究を進めた。これにより呼吸のようなゆらぎのある信号への対処を確立した。 また,呼吸データベースの構築を目指し,ドップラーセンサを用いた非接触計測によるデータ取得を進めた。これらを計測することにより,集中しているときとそうでないときの差に着目し,大きな差が現れる場合があることを確認した。この差は人が目で見て確認できるほど大きな違いがある場合があるが,これを人の主観によらず区別できる性能を検討する必要があり,今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
呼吸データを取得する実験を実施するとともに,信号処理手法についても新しい方法を提案している。こうした成果から,概ね順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,まず必要なこととしてドップラーセンサを用いたデータ取得の拡大が挙げられる。また,並行して他のセンサによるデータの取得を進める必要がある。これまでコロナウイルスの問題もあり,多数の被験者を同時に計測することが困難であった。しかし今後はこうした実験のスケールと頻度を拡大し,データベースの構築を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により外国出張ができなかったため。2022年度も外国出張が困難であるが,データ取得実験を円滑に進めるための機材などに費用を充てる。
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