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2021 Fiscal Year Research-status Report

短鎖連続塩基配列に基づく細菌ゲノム・菌叢解析と機械学習による口臭予測への応用

Research Project

Project/Area Number 20K12068
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

中野 善夫  日本大学, 歯学部, 教授 (80253459)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 谷口 奈央  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60372885)
渡辺 孝康  日本大学, 歯学部, 助教 (70725514)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsゲノム / 系統樹 / 水平伝播
Outline of Annual Research Achievements

口臭予測のための試料として、本年度は福岡歯科大学口臭クリニックで150程度を目標に唾液サンプルを集める予定だったが、新型コロナウイルス感染が終息の兆しも見せずクリニック受診者が低迷したままで、目標に遠く及ばなかったが、すでに得られたサンプルを一部解析して、 ヒトゲノム配列データベースを用いて口腔内細菌ゲノムDNAサンプル中にどれくらいヒト由来のDNA断片が混入しているかを調べたところ(16サンプル)、25から80%のヒト由来塩基配列が見出された(平均49%)。現在、このヒト由来DNAを除去する操作を作業過程に入れるのがよいのか、そのままヒトゲノムデータベースとの照合で除去すればいいのかを検証しているところである。口臭サンプルの必要のない「識別困難菌種の系統解析と種判別器の確立」については、RスクリプトとShinyを用いてオンラインで5塩基連続配列の出現頻度 に基づき系統樹解析を行えるプログラムを構築し、広く利用できる環境を整えることができた。PLOS One誌に論文を投稿し、論文が受理されたらそのURLを公開する予定である。また、この方法でIpomoea属植物の葉緑体ゲノムを用いて系統解析を行ったところ、得られた系統樹はこれまでに報告された形態的解析や固有の遺伝子配列を用いた系統樹と極めてよく一致したことから、細菌のみならず広い生物種を対象に近縁種の系統解析に貢献できる手法であることが明らかとなった。「水平伝播により得られた遺伝子の推定」については、共生細菌遺伝子を多数取り入れたといわれる昆虫であるアブラムシのゲノム配列中から、5塩基配列出 現頻度に偏りのある領域を抽出して、細菌ゲノムデータベストの照合を行って、5塩基出現頻度が平均的である領域との比較を行ったところ、植物固有の広範囲の繰り返し配列構造との識別方法を考慮する必要があることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

「口腔内細菌叢のN個連続塩基配列解析による口臭の有無の予測」については、新型コロナウイルス感染の拡大に伴い福岡歯科大学口臭クリニックの来院者数が 激減したために進捗は大きく遅れている。繰り返し変異株が出現することにより感染の終息が期待できないものの、このまま通常の経済活動や日常生活に戻る雰囲気となっているので今年度はサンプル採取も増えていくと期待できる。「識別困難菌種の系統解析と種判別器の確立」は順調に進み、RによるプログラムをオンラインでGUIとして動かす形にすることができたが、論文の受理が予定通り進んでいない。植物葉緑体ゲノム解析の成果等を追加して再投稿をしたところである。「水平伝播により得られた遺伝子の推定」は、5塩基配列出現頻度の分布を調べ、周辺と異なる領域の抽出には異常値の検出に用いられるOC-SVMを採用して解析を行ってきたが、昆虫特有の長い繰り返し構造を「異常値」として検出してしまい、目的が達成できずにいる。繰り返し構造の回避する方法の導入を試みているところである。

Strategy for Future Research Activity

今年度は「口腔内細菌叢のN個連続塩基配列解析による口臭の有無の予測」のためのサンプル採取をさらに進め、昨年度予備的に実施した配列解析を十分数確保できるように進める。唾液サンプルに混入してくるヒトゲノム塩基配列の除去を、サンプル調整中に行うのか、塩基配列解析後にデータベースとの照合により配列だけ除くのか、作業効率を検証しながら決めていく。「識別困難菌種の系統解析と種判別器の確立」は、系統樹解析のオンライン公開を予定通り行う。論文掲載を今年度は確実にする。「水平伝播により得られた遺伝子の推定」では、アブラムシ中の配列解析は昆虫の長い繰り返し構造に阻まれて目的が達成できなかったので、共生細菌ゲノムに注目して短鎖塩基配列出現頻度とOC-SVMの機械学習の手法を用いて水平伝播を検出し、宿主昆虫との関係を解明していく。以上の解析を進めながら、現在5塩基の配列で解析している塩基数を変化させ効率のよい解析に適した塩基数を求めていくことにする。塩基数が増えれば計算 量が指数関数的に増えていくので、必要最小の塩基数が最適な塩基数となる。バクテリアの系統解析では5塩基がよいことがすでに明らかになっているが、解析 の目的が異なれば最適塩基数も変わってくると考えられるからである。

Causes of Carryover

福岡歯科大学口臭クリニックの来院者数が新型コロナウイルス感染によって激減した状態が2年目も続いたために、塩基配列解析を今年度に先送りせざるを得なくなったため次年度使用額が生じた。次年度使用額と令和4年度助成金を合わせて、昨年までに採取したサンプル採取の塩基配列解析を、本年度採取のサンプルと併せて行いその費用を計上する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] The effects of cigarette smoking on the salivary and tongue microbiome2021

    • Author(s)
      Suzuki Nao、Nakano Yoshio、Yoneda Masahiro、Hirofuji Takao、Hanioka Takashi
    • Journal Title

      Clinical and Experimental Dental Research

      Volume: 8 Pages: 449~456

    • DOI

      10.1002/cre2.489

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Comprehensive analysis of bacteriocins in Streptococcus mutans2021

    • Author(s)
      Watanabe Atsuko、Kawada-Matsuo Miki、Le Mi Nguyen-Tra、Hisatsune Junzo、Oogai Yuichi、Nakano Yoshio、Nakata Masanobu、Miyawaki Shouichi、Sugai Motoyuki、Komatsuzawa Hitoshi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 11 Pages: 1~13

    • DOI

      10.1038/s41598-021-92370-1

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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