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2020 Fiscal Year Research-status Report

生体高分子アニメーション構築支援システムの開発

Research Project

Project/Area Number 20K12072
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

上野 豊  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60356558)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsタンパク質立体構造 / 分子構造可視化技術 / 分子アニメーション / 分子間相互作用
Outline of Annual Research Achievements

タンパク質等の生体分子の機能を説明するための立体構造モデルのアニメーション構築を推進するために技術開発を進める。今年度は、DNA鎖がしなやかにゆらぎながらRNAポリメラーゼに読み取られる様子を実現するため、2012年から開発を進めた骨格アニメーション法を粗視化したDNA分子に適用する手法を開発した。骨格は動作を与えてBVH形式ファイルに変換することでアニメーション構築ソフトウェアBlenderで表示可能となった。ブラウン運動を付与する例としてBlenderの物理演算シミュレーションによる動作付与も作成する計画とした。

骨格アニメーション法を提案した論文は課題期間前に投稿していたが、本課題実施に重要な位置づけであり、査読に2年を費やし、リバイズと共にプログラム修正を進めて2020年に受理された。

バクテリアの鞭毛が鞭打ち動作で推進力を発生する際に、付け根で回転する複数の鞭毛が束ねられて太くなり波打つ様子が顕微鏡で観測されている。この時に鞭毛同士がどの様に相互作用して回転するのかを明確にするため、複数の鞭毛の動作のシミュレーションを試みた。鞭毛はBlenderで四角柱で近似しsofbody演算により柔らかに曲がる構造として、根本から回転を与えて鞭うち運動できるか試みた。その結果、鞭毛が回転軸に沿った直線構造では鞭打ち運動にならず、鞭毛の軸と回転軸に角度をつけるか、回転軸と鞭毛軸をずらすことが必要であった。鞭毛同士は接触して滑りながら束を形成した。鞭毛の根本に存在するとされるユニバーサルジョイント機能を導入すると動作は直線的な回転運動だけとなり鞭打ち動作は実現できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度よりタンパク質分子アニメーションを蓄積する計画であったが、独自プログラムで作成するBVHファイルを生成する際の角度指定が正しく反映できないという問題が発生し、問題解決までに数か月の時間を費やした。試行錯誤の末に、回転角の指定をYXZの順にすることで正しく反映できた。BVHファイルは仕様が明示されておらず、インターネット掲示板等から情報を収集しなければならなかった。そのため役務作業を依頼して分子アニメーション構築を進める計画は次年度からとなった。

Strategy for Future Research Activity

次年次年度は、EzCatDBに登録されている構造変化モデルと、PDB-Elasticでの基準振動解析の結果をアニメーションとして構築する作業を役務発注して進める。今年度は役務発注できなかったが、最新のGPUボード利用により作業効率が向上することが期待されたため、物品費21万円で購入し既存PCに設置した。

また、これまでに結晶構造解析が進展して構造データが蓄積されたGタンパク共益受容体の動作アニメーションを調査したが、未だ詳細な相互作用が解明されていない部分もあり複雑な研究課題であったため、次年度にも調査を進めてから構築することとした。

骨格アニメーション法の投稿論文の査読コメントを受けて、タンパク質分子の基準振動解析の結果を公開しているPDB-elasticのデータからアニメーション例を増やしてweb公開する。また、バクテリア鞭毛の運動、DNAポリメラーゼによるDNA鎖の読み取り、DNAオリガミ構造のアンフォールディングの3例について分子生物学の知見を反映したアニメーションを作成する。役務発注によるアニメーション構築作業は2021年度より進めて、既存のアニメーションスクリプトをBlenderバージョン2.8に対応したアップデートを行う。

Causes of Carryover

役務発注により分子アニメーション構築作業を進める計画であったが、作成するBVHファイルの角度計算法の問題により仕様確定が遅れ、作業を延期して来年度に確実な作業内容で実施する事に変更した。そのため、初年度の経費としては、最新のGPUボード利用により次年度からの作業効率が向上することが期待されたため、21万円の物品費を計上し、既存PC内に設置した。次年度への繰り越しを行ない役務作業の内容を拡充する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Skeletal animation for visualizing dynamic shapes of macromolecules2020

    • Author(s)
      Yutaka Ueno, Shinya Muraoka and Tetsuo Sato
    • Journal Title

      Journal of Integrative Bioinformatics

      Volume: 17 Pages: 0098

    • DOI

      10.1515/jib-2018-0098

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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