2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing A Product Risk Information Ontology for Society 5.0
Project/Area Number |
20K12077
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
張 坤 長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 准教授 (70784263)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オントロジー / 製品事故 / リスク情報 / ソサエティー5.0 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画における令和3年度の目標は、前年度に作成した本研究用製品リスクデータベース(21,482件)とブリッジ用語集を用いて、製品リスク情報オントロジーの開発を行うことである。これに対して、PIED-Onto(Product Injury Event Description Ontology)というメタオントロジー(meta ontology)を設計された。 具体的な手順は、①メタオントロジーを定義、②クラスを定義、③プロパティを定義、④オブジェクトのプロパティを定義、⑤データプロパティを定義、⑥ケーススタディの6つのステップとなり、結果としては、「ホスト(属性項目:年齢,性別,人種、住所)、ベクター(属性項目:原因物、関連物、型番、メーカー、使用期間)、エージェント(属性項目:危険源、加害物、メカニズム、火災の有無)、環境(属性項目:発生日、発生時刻、発生場所、活動種類、天気、自然災害の有無)と結果(属性項目:危害の程度、傷害部位、傷害タイプ、治療、受傷人数、再発防止策)」という5つのSubclassとそれぞれに対応するすべて25個の属性項目を設け、また各Subclassを製品傷害の発生プロセスにおけるロール概念を明確し、「引き起こす、接触、現わす、危険があるか、傷害があるか」という5つの関係を定義し、そのシーケンスの記述方法も確立した。 構築されたPIED-OntoをProtegeという汎用性高いオントロジーエディタを用いて編集し、その有効性をDL query Tabを通じて検証した。これまでの成果としては、「Ontology for injury information description and organization in product injury events」題する英文論文をまとめ、現在投稿の準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、2017年に開発したLWO(light weight ontology)である傷害記述枠組みコーディングマニュアル(IIDFCM)の基で、事故因果関係理論(Accident Causation Theroy)を導入したことによって、LWOであるIIDFCMをHWO(heavy weight ontology)となるPIED-Ontoを開発した。これで昨年度計画した「HWO(heavy weight ontology)とLWOの両手法の組み合わせによる製品リスク情報オントロジーの開発」という挑戦課題もほぼ解決した。 また、R3年度では解決すべき課題中の「課題2:リスク要素などのロール概念の明確化」に関しては、リスク要素である「ホスト、ベクター、エージェント、環境と結果」という基本の5つ項目を「製品傷害の発生プロセス」というコンテクストの基で、それぞれのロール概念を明確化した。
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Strategy for Future Research Activity |
Linked Open Data(LOD)化するためのRDF(Resource Description Framework)データモデルの設計というR4年度の目標に向けて、NITEと消費者庁以外の製品リスク情報データベースからの情報収集を進める一方、RDFデータモデルを現在構築済のPIED-Ontoにリンクさせるため、PIED-Ontoの拡張版あるいはダイナミック版も必要である考えている。 ダイナミック・オントロジー(Dynamic Ontology)とは、「顧客のビジネスの変化などに対して動的(ダイナミック)に適応できるようなオントロジー技術である」と言われており、本研究においては、種々な製品リスク情報DBを統合するため、Dynamic PIED-Ontoの開発を新しい目標として挑戦していく。 多様な製品リスク情報の一つとして従来の製品情報に加えて、自動車のリコール情報、不具合情報を統合対象に加えることも検討していく。 また、最終年度にPIED-Ontoの有効性を検証するため、新しく購入したデータマイニングの専用ツールであるSPSS Modeler Authorizedの活用方法に習熟することも進めていく。
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Causes of Carryover |
R3年度では、新型コロナウイルスの影響で、出張などの実施はできなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額を主に用語集を作成の人件費として使用する予定である。
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