2020 Fiscal Year Research-status Report
貢献・成長を把握可能にするGitHubを核としたソフトウェア開発PBL環境の開発
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20K12089
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
櫨山 淳雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70313278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋浦 弘明 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (20597083)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトウェア開発教育 / Project Based Learning / 貢献・成長の可視化 / GitHub |
Outline of Annual Research Achievements |
社会の情報化は大きく進展しつつあり、ソフトウェア技術者の育成は社会的課題である。その解決の1つとして、実践的なソフトウェア開発教育としてProject-Based Learning(PBL)が行われている。PBLの学習活動から学習者に自己の成長や貢献を気づかせることにより、学習意欲向上が期待される。本研究ではPBLで学習を進める学習者の成長や貢献を把握可能にするGitHubを基盤としたPBL環境の開発を目的とする。 2020年度は、大きく3点の研究成果をあげることができた。 (1)GitHub上でのコードレビュー学習支援システムの開発:ソフトウェア開発初学者にとってコードレビューを行うことは難しい。そこでコード解析ツールがソースコードを解析した結果を参考情報として提示し、それを参照しながら、コードレビューを行うことを支援するシステムを提案した。システムにはコードレビューの実施結果を提示し、振り返りを行える機能も実装している。 (2)ソフトウェア開発演習における実装工程を対象とした貢献評価手法の提案:グループで行うPBLでは個人の貢献が見えにくいという課題がある。この課題に対して、ソフトウェアの実装工程に対して、従来は規模見積り手法として開発されてきたファンクションポイント法を機能実装の貢献を測る手法とすることを提案した。特に、学習の場面で行われている助け合いに対してもファンクションポイントを付与すること、また、結果的にはソフトウェアシステムに組み込むことができなかった機能を途中まで実装した学習者にも貢献を加味する工夫をしている。 (3)COVID-19パンデミック下でのオンライン遠隔ソフトウェア開発PBLの実践:本研究が実証実験の対象とするソフトウェア開発PBLの実践を報告している。学習者のソフトスキルの向上に関するデータを収集するためのツールを開発し、その運用を報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果として述べた3つの主たる研究成果をあげることができた。このうち、コードレビュー学習支援システムは情報処理学会ソフトウェアエンジニアリングシンポジウムでインタラクティブポスター賞を受賞した(17件の発表の中で2件が表彰された)。 また、ソフトウェア開発演習における実装工程を対象とした貢献評価手法並びにCOVID-19パンデミック下でのオンライン遠隔ソフトウェア開発PBLの実践は日本ソフトウェア科学会第7回 実践的IT教育シンポジウムに投稿し、査読の結果採録されるという成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の成果を、海外の研究者からも参照可能になるように、国際学会で発表を行う。 成長や貢献を成果物やコミュニケーションのログから取得することを目指し、自然言語処理の導入について研究に着手する。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウィルス感染症のため、成果発表の場である学会発表がすべてオンラインになったため、旅費の支出が0円であったことが差が生じた主な原因である。これは本課題申請時には想定しなかったことである。2021年度の状況は現時点では見通せないが、成果発表の手段として、海外のジャーナルを含め検討して、効果的な使用を検討する。
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Research Products
(3 results)