2020 Fiscal Year Research-status Report
WebAgent:省労力型e-learningシステムの統合開発研究
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20K12092
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 右文 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (90243873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木實 新一 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70234804)
杉浦 謙介 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (40196712)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | e-learning / LMS / XMLエディタ / 簡便性 / ユーザフレンドリーな操作環境 / AIを駆使したデータ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度(2020年度)においては、A)新しく強力で簡便なe-learningシステムとして「WebAgent」を作成することを主要な課題とし、B)そこで検証に利用するための英語・ドイツ語のテストの作成準備を行うことを従たる課題としていたが、全体として、おおむね順調に進んでいる。まずA)については、主として「認証機能」に集中して、成績判定に利用できるテストとするための、信頼性の高い本人認証の方式を研究開発することとしており、加えて「XML エディタ機能」の研究開発に同時に取り組むこととしていた。次にB)については、既存のe-learning教材に対応するテストの立案並びにテスト用素材の収集に取り組むこととしていた。具体的実績としては、A)について、前期期間中に、どのような認証システムが確実かつ現実的かを構想し、どのようなエディタがデジタルに強くない教員にとって好ましいのかを考察して、後期にはシステムを発注し、本年 3月29日に業者より「WebAgent」が九州大学に納品され、担当者並びに事務の検証を受け、仕様を満たしていると判断された。「認証機能」については、WEB 上の制約がある中で、IP等による高機能のものとなっているが、将来導入される可能性の高い二重認証についても、後から取り込むことができるような柔軟な構造となっている。「XML エディタ機能」についても、令和2年度は、計画通り、マルチメディア関連以外の一部の機能を実装したが、翌年度以降の拡張に耐えられる仕組みとし、教材の作成が容易な形となっている。次にB)についても、英語・ドイツ語、両方のテストの形式の立案、素材の収集先についての準備を整え、令和3年度の課題への取組みに繋げることができる状態にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」でも記したように、当初の計画はおおむね順調に進んでいると言うことができる。「WebAgent」は「認証機能」「XML エディタ機能」「出欠機能」「自動採点機能」「自動集計・分析機能」を備え、特にe-learningに強みがあるわけではない教員でも簡便に使いこなすことができるシステムを目指しているが、それぞれの機能を年度を追って構想して、その新機能を実際のプログラムに落とし込んで改訂したシステムを毎年発注することで、少しずつ完成させていく計画としている。その計画の中で、初年度である令和2年度においては、まず「認証機能」、そして「XML エディタ機能」のうちマルチメディア部分を除いた一部の機能についての開発を計画通りに実施した。その過程において、共同研究者からシステムの仕様に関する貴重なアドバイスを得ることもできた。実装された「認証機能」はユーザからすればIDとパスワードによるシステムに見えるが、IP等にも関係させている。さらに後から二重認証にも対応できるつくりとしており、単に令和2年度の仕様を満たすだけではなく、今後の拡張をも念頭に置いたものとなっている。続いてテストについては、英語とドイツ語の両方で、どのようなコンテンツ設計のテストを作成するのか、また素材はどこから収集することにすればよいのかを定めた。ドイツ語については共同研究者のひとりからの支援を受けた。実際の素材の収集については、英語で遅れている部分もあるが、全体として本研究の取組全体をおおむね順調とすることができる程度の軽微なものである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容としては、まず「WebAgent」について、令和2年度の「認証機能」とマルチメディア関連部分以外の「XML エディタ機能」を受け、令和3年度には精度の高い「出欠機能」と「エディタ機能」のうちのマルチメディア関連部分を手掛け、令和4年度には各種データを自動算出する「自動採点機能」に集中し、令和5年度においては「自動集計・分析機能」を追加して、授業コース全体の評点を自動生成できるようにする。次にそのシステムで使用するための英語・ドイツ語のテスト問題について、令和2年度の準備作業に基づいて、令和3年度においては実際にテストの内容を作成し、令和4年度にはテストの機能を利用してユーザアンケートを取る機能を付加し、令和5年度においてはテストとアンケートの授業での検証を実験する予定としている。これらを確実に進めていく上での課題として、作成中のe-learningシステムの動作を検証するための、より安定的なサーバ環境の確保が挙げられる。利用の多いクラウドシステムを複数検討して、研究開発での利用にふさわしいもの、実際にユーザが利用しやすいものを、なるべく早期に選定する予定である。さらに、どういう使い勝手のシステムがより解り易く、直感的で、パーツの再利用も容易となり、使用する教員にとって敷居を低く感じさせるのかについて、各機能の具体的な部分の詳細において突き詰めていくと、人間によって感じ方が異なる部分もある、ということに気が付いてきている。この点について今後充分な注意を払い、見当違いの仕様とならないようにしたい。また、研究計画の変更は特に現段階では生じていない。
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Causes of Carryover |
令和2年度の所要額1,200,000円に対し、同年度の実支出額は 1,180,200円であり、次年度使用額が19,800円となっている。この金額が繰越となった理由は、システムの発注に確保していた金額よりも、契約金額がわずかに低かったためである。これに対し、令和3年度の所要額は1,200,000円で、「次年度使用額」はこれの1.65%であり、令和3年度の支出計画の修正を要するような額ではないものと考えている。
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