2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K12102
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
星野 浩司 九州産業大学, 芸術学部, 教授 (60552205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MR / バーチャルリアリティ / ヘッドマウントディスプレイ / 遠隔教育 / 水族館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水族館という水生生物を生きた資料として扱う科学系博物館を基盤とし、次世代の視聴技術として期待されるMR(Mixed Reality:複合現実)技術を基盤とした訴求力の高い教育システムを用いて、子供たちが積極的に学習できるエデュテインメント志向の体験型学習支援システムを設計・開発するものである。具体的には、近年、海外の先進企業が注力するMR技術を用いて、水族館施設における水性生態の骨格標本を中心に、現物の展示では再現が不可能な様々な視覚情報や知識コンテンツを提供する。これにより、実物と透過比較しながら大きな視線の移動を伴うことなく鑑賞学習が可能となる。さらに、本システムでは、地理的・心身的制約を持つため来館の機会が少ない児童に対し、アプリ形式のタブレットソフトとDNN(ディープニューラルネットワーク)を組み込んだAI型ヘッドマウント・ホログラフィック・ディスプレイ(以下、HMHD)やクラウド型ネットワークシステムを用いて学びの視点の共有化や現実空間に教育コンテンツを複合投影(ホログラフィック投影)することで、シームレスで訴求力の高い遠隔学習を可能にする。 今年度においては、前年度に実施した先進事例調査として類似研究の論文調査、ネット等を通じての研究情報の調査を基礎資料として基本設計と実証実験のための準備として実験基盤となるマリンワールド海の中道との実験準備を行っている。具体的には、HMHD端末を用いてマリンワールド海の中道で展示されている骨格標本を教育教材とし、離島や郊外で生活する遠隔地の児童と館内の児童が鑑賞視点を共有するバーチャル空間内で学芸員が遠隔指導を行う実証実験を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度となる令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大に伴い、大学の方針にて県外への移動や海外への渡航を制限されたため、当初予定していた先進事例についての現地調査が出来ていない。そこで、先進事例調査として類似研究の論文や書籍の調査・研究、インターネット等を通じての研究情報の調査を行っている。2年度になる令和3年度はそれらの調査資料を基礎資料としてシステムの基本設計と実証実験の事前準備として実験基盤となるマリンワールド海の中道との実験準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、令和2年度で検討した基本設計を基礎に詳細設計を行い、実験基盤との実験方針を固め、オントロジーサーバの開発とヘッドマウントディスプレイとタブレットPCが連携した教育支援システムの開発を行い、教育プログラムを作成し、実証実験の実施とデータ分析・取りまとめを進める。
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Causes of Carryover |
2年度になる令和3年度はそれらの調査資料を基礎資料としてシステムの基本設計と実証実験の事前準備として実験基盤となるマリンワールド海の中道との実験準備を進めている。その中で、必要なデータ作成、実験機器や開発のための機器を選定購入している。今後は、令和3年度で制作した3Dモデルデータを用いてMR端末(AI型ヘッドマウント・ホログラフィック・ディスプレイ:HMHD)に実装し、視聴覚実験とデータサーバとの連携実験を行い、遠隔地とマリンワールド海の中道の利用者による実証実験に使用する。
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