2021 Fiscal Year Research-status Report
ブロックプログラミング環境に基づく学習支援環境の構築とその有効性
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20K12107
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浅井 健一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (10262156)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブロックプログラミング環境 / 初心者プログラミング教育 / 関数型言語 / 情報科学的なものの考え方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に以下の3点を行なった。 (1) 情報を専門としない学生を対象としたゲームプログラミングのためのチュートリアルサイトを構築した。これはこれまで行ってきたゲームプログラミングの授業の内容を自習可能なチュートリアルの形に再編したもので、説明、チュートリアル、練習問題が繰り返される形になっている。チュートリアル部分は intro.js を使って実装されており、ブロックの操作の仕方を吹き出しで1ステップずつ説明する形になっている。ここでの成果は、国内のワークショップにてポスター発表した。 今後、実際に情報を専門としない学生に使ってもらい、フィードバックを得て、完成度を上げていく。また、チュートリアルを行う際の学生の様子を把握するため、開始、終了、正解チェックを行ったチュートリアルの番号をログにして保存できる機能も実装した。 (2) 対戦ゲームを中継するサーバを作成した。これによりサーバでゲームに関するプログラムを実行することなく、クライアント側のみで対戦ゲームを作れるようになった。同時に、ゲームサーバとゲームクライアントをひとつのファイルで作成できるようにした。これにより将来、ブロック環境上で対戦ゲームを作れる可能性が出てきた。ここでの成果は、国内のワークショップにてポスター発表した。 (3) OCaml のステッパを拡張してモジュールに対応した。モジュール内の名前の扱いについて、それらがモジュール内外に移動する際に必要な処理を特定し、実装した。ここで作成したステッパをウェブインタフェースで使えるようにし、ブロック環境と接続することで、ブロック環境内からステッパを使えるようにした。この環境は来季、情報を専門とする学生を対象とした授業で使用予定である。ここでの成果のうち、モジュールへの対応部分について、国内のワークショップにて登壇発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要なブロックプログラミング環境については、昨年度まででログを採取できるようになっており、今年度、ステッパの統合も進んだ。細かな改良ができると良い部分は残っているが、一通りの環境は構築できている。今回、ステッパの統合ができたことで、情報を専門とする学生を対象にしたプログラミング環境が向上され、その効果を確認する準備が整った。ただし、コロナの状況により今年度までと来年度では授業環境(オンラインか対面か)が大きく異なるため、意味のある比較ができるかどうかは未知数である。情報を専門としない学生を対象にした教材については、今年度、初期版を作ることができた。これを実際に使ってもらい、改良していく。 また、ここでの経験を生かしながら、中等教育機関向けの教材(特に数学)についても具体的に単元を選択して作成していく準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、ブロックプログラミング環境については、対戦ゲームをブロック環境で行えるようにする。また、必要に応じてまだ実装されていない言語機能の実装を順次行う。情報を専門とする学生に向けては、引き続き授業でブロックプログラミング環境を使用し、その効果を観察する。特にステッパのブロック環境への統合の影響について可能な範囲で調査する。情報を専門としない学生を対象にした教材については、昨年度に作成したチュートリアルを実際に学生に使ってもらい、そこからのフィードバックを元に改良して、公開できるようにしていくのを目指す。また、ここでの経験を生かして、中学、高校の数学から特定の単元を選んで、そこのチュートリアルサイトを一通り作ることを目標とする。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で旅費の支出がなくなったため。次年度は旅費を支出できるだろうと考えている。
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Research Products
(4 results)