2021 Fiscal Year Research-status Report
頭部での侵食感と浸透感を提示する触覚インタフェースの提案
Project/Area Number |
20K12127
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
橋本 直 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (60610615)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 触覚提示 / 侵食感 / 浸透感 / バーチャルリアリティ / エンタテインメントコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、頭部での「侵食感」と「浸透感」を提示するための触覚デバイスを開発し、頭部においてそのような感覚が生起するメカニズムや条件について調査を行う。申請者は以前の研究において侵食感や浸透感を提示し得る方法を見つけているが、学術界や産業界に貢献のあるものにするには、再現性のあるデータを収集・分析し、一般化された知見を得る必要がある。 2021年度は侵食感提示を中心にデバイス開発を行った。侵食感提示はヘッドマッサージャによる圧迫刺激を用いる。実験用デバイスとして、被験者の頭部を台に固定し、頭部上方からヘッドマッサージャが下降する装置を構成した。侵食感が生起する条件を調査するにあたり、接触点数、接触位置、移動距離、移動速度、振動の有無をパラメータとする。このうち接触点数と接触位置については脚の本数と位置を変えた複数のヘッドマッサージャを用いる仕様とした。また、移動距離と移動速度についてはマイコン制御でいくつかのパターンを試せる仕様とした。振動については、ヘッドマッサージャの脚に取り付けた振動子を駆動させることで提示する仕様とした。 開発したデバイスを用いて、研究室内の限られた人数での予備実験を行った。予備実験から、侵食感提示に影響を与える可能性があるものとして、ヘッドマッサージャの素材(金属製・樹脂製)、被験者のヘッドマッサージャの常用の有無や、触覚提示に連動した映像の提示の有無などが挙げられた。これらを踏まえ、今後は条件を統制した本実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
侵食感と浸透感についてそれぞれ別のデバイスを開発する予定であったが、侵食感提示のデバイス実装と予備検証に想定よりも時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
侵食感提示を優先したプロジェクト進行を行う。2021年度に開発したデバイスを用いて本実験を行い、再現性のある科学的な知見を得て論文化することを目標としたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国内外の学会がオンライン開催となり、調査研究旅費が使われることがなかった。2022年度の感染状況に左右されるが、可能であれば学会参加の旅費や人的リソースに対する人件費・謝礼として支出する。
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