2022 Fiscal Year Annual Research Report
頭部での侵食感と浸透感を提示する触覚インタフェースの提案
Project/Area Number |
20K12127
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
橋本 直 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (60610615)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 触覚提示 / 侵入感 / バーチャルリアリティ / エンタテインメントコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2022年度は、頭部における侵入感(※)について調査するために、前年度に開発したデバイスを使用して2種類の実験を行った。 実験1では、侵入感が生起する圧覚刺激条件の調査を行った。ヘッドマッサージャによる圧覚刺激によって表現される侵入感提示において、ヘッドマッサージャの移動距離、移動速度、脚の本数の比較を行った。結果として、ヘッドマッサージャの移動距離と脚の本数がそれぞれ増加するにつれ、参加者が体感する侵入感も大きくなることが示唆された。また、侵入感を生起させる最低要件がヘッドマッサージャの移動距離は4cmから8cmの間、ヘッドマッサージャの脚の本数は4本から12本の間に存在することが示唆された。 実験2では、振動提示によって参加者が知覚する侵入物体を有機物もしくは無機物を表現が可能であるかの調査を行った。振動刺激として、ヘッドマッサージャの脚に振動モータを取り付け、数種類の音声信号を入力した。実験結果として、心音の振動提示によって有機物の表現が、掘削音の振動提示によって無機物の表現が可能であることが示唆された。 本研究課題では、頭部において侵入感が生起する条件について明らかにするために、実験手法を考案・開発し、実験を行った。実験の結果わかった生起条件は、同様の感覚提示装置を設計するための指針として有用である。また、提示する振動刺激によって侵入する物体の表現にバリエーションを持たせられることがわかった。
※本研究課題では当初、頭部に生物や物体が入り込んでいく感覚のことを「侵食感」と表現していたが、より適切な表現である「侵入感」に置き換えることとした。
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Research Products
(1 results)