2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K12129
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
椿 郁子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (70409960)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 視線検出 / 視線誘導 / 漫画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度計画していた内容は、漫画作品に翻訳版に相当する変更を行った場合に生じる視線誘導効果の変化と、改善手法を施した効果の2つを実験により評価することである。さらに、評価した結果について学会発表を行う予定であった。 前年度に引き続き、漫画は、日本語版と英訳版の両方が入手できる漫画本の作品と、Manga109学術用漫画データベースに収録されている作品を利用した。また、実験の際は、日本語のまま横書きに変更した画像を作成し、それを翻訳版に相当する変更を行った漫画として利用した。 前年度までに、視線は主に吹き出しに滞在し、絵柄への移動が少ないことが分かっていたため、視線誘導の効果としては吹き出しへの誘導を重視して、コマと吹き出しを読む順序の正誤、コマからコマ、吹き出しや絵柄間の視線移動に要する時間、吹き出し内に滞在する時間についての評価実験を準備した。昨年度よりも実験画像を増やし、少数の被験者で実験を行ったところ、実験画像間でのばらつきが大きくなった。また、同一被験者で複数回の実験を行った際に再現性が低い場合がみられた。実験方法、実験画像、提案手法、評価項目の各々について、再現性を高くする方法を検討したが、今の時点では対応策を見つけることができていない。そのため、計画していた被験者を増やした評価実験の実施と、評価した結果についての学会発表を見送った。 その他、縦書きから横書きに変わる英訳とは逆のケースとして、横書きから縦書きへ変わる場合の実験を新たに計画した。アメリカン・コミックスなどの英語で作られた漫画の日本語訳を実験画像として用いることを想定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
翻訳による視線誘導効果の変化と、改善手法の効果を評価する実験を完了させ、結果をまとめる計画であったが、実験を完了させることができなかった。実験結果の再現性を高める方法を検討している途中である。また、学会発表も計画していたができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画から遅れているが、実施内容の大きな変更は行わず、信頼性の高い評価実験の実施と、提案手法の効果を高めることに注力し、結果をまとめる。
|
Causes of Carryover |
学会発表をしなかったこと、また、評価実験を少人数の被験者で行っていたため、謝金が発生しなかったことが主な理由である。次年度分と合わせて、学会発表や評価実験に使用していく計画である。
|