2023 Fiscal Year Annual Research Report
Photochemical formation and destruction of surfactants present in the atmospheric aerosols
Project/Area Number |
20K12136
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 教授 (80343375)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大気エアロゾル / 界面活性剤 / 海塩 / 光化学反応 / 越境汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、主にエアロゾル中の界面活性剤濃度(MBASとして求めた)と関連のありそうな化学成分との関連性を調べ界面活性剤の起源について探求した。研究期間全体としては中国大陸で発生した黄砂が北西から到来する春季において、全エアロゾル濃度や溶存有機炭素(WSOC)濃度は大きくなることが明らかになった。春季・冬季のWSOCは非海塩性であるnss-Ca などとの相関が高い(R=0.72, 0.76)ことから大陸起源であり、夏季のWSOCはNaとの相関が高い(R = 0.81)ことから海洋起源と推定できたが、秋季の起源は特定できなかった。WSOC単位濃度当たりのMBAS (MBAS/WSOC)が大きかったものと小さかったサンプルの後方流跡線(Back Trajectory)解析を行った。その結果より、中国大陸から気団が到来したときに比が大きく、中国大陸以外から気団が到来したときに小さくなる傾向が見られた。台風時においては、エアロゾル濃度が夏季の2.3倍、秋季の2.0倍増加し、海塩の寄与が大きく (最大92%)、WSOCに対する寄与は小さい(最大3.2%)ことが明らかになった。また、台風時のMBASとNaとの間に相関がみられた(R = 0.63)が、海塩成分の増加に比べ、MBAS濃度の増加は穏やかだったことから、台風時には海水がかき混ぜられ、比較的界面活性剤の少ない表層海水からエアロゾルが発生したことが示唆された。
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