2021 Fiscal Year Research-status Report
消化器疾患領域の透視下医療処置における被ばく線量測定(全国多施設前向き観察研究)
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20K12171
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
竹中 完 近畿大学, 医学部, 講師 (50723996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 眞 近畿大学, 医学部, 教授 (00281303)
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線被ばく |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は各国の医療に用いられる放射線の使用基準に消化器領域の透視下医療処置の記載がほとんどされていないのは、信頼度の高い実際の被ばく量データが存在しないためであり、各透視下処置における、装置から出力される放射線量、患者・医療従事者の被ばく量を明らかにすることは、現在世に存在しない信頼度の高い情報を得られるのみではなく、「消化器領域のさまざまな透視下処置における被ばく量の基準値を定めDRL設定に繋げる」こと、消化器領域のみならず、透視下医療処置全般に関する被ばく量の基準作りにまで繋がることが可能になると考え立案した。唯一の被ばく国として放射線被ばくに関心の高い本邦において、世界に先駆けて、特に消化器領域の透視下医療処置に関する放射線被ばく量の基準を作成し、世界に発信することを目的に立案した。 「実臨床での透視下手技における患者と医療従事者の被ばく線量集計・解析」については当院における患者への透視下内視鏡手技における被ばく線量測定を行い、その数値は十分に防護対策をとらなければ基準値を容易に超える値であることが判明した。この内容は消化器病学会誌の速報に取り上げられ報告し、日本中の消化器内科医の被ばく防護意識改善に寄与したことが予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のごとく本研究の2つの目的は下記のごとく遂行されている 「実臨床での透視下手技における患者と医療従事者の被ばく線量集計・解析」については当院における患者への透視下内視鏡手技における被ばく線量測定を行い、その数値は十分に防護対策をとらなければ基準値を容易に超える値であることが判明した。この内容は消化器病学会誌の速報に取り上げられ報告し、日本中の消化器内科医の被ばく防護意識改善に寄与したことが予想される。医療従事者の被ばく線量測定は次年度に測定を行う予定である。 「各透視下手技のDRL設定のための被ばく線量ビッグデータ収集解析(多施設共同研究)」については2021年3月末をもって測定を終了とした。次年度はその解析を行なっていく予定である。 よって「おおむね順調に進展している。」とさせていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
「各透視下手技のDRL設定のための被ばく線量ビッグデータ収集解析(多施設共同研究)」については2021年3月末をもって測定を終了とした。次年度はその解析を行ない国内外へ論文、学会発表という形で発信を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
本来であれば海外、国内を問わず学術集会に参加し、研究経過を報告する予定であったが、COVID19の世界的流行により全ての学会の現地参加がなくなり、Web開催となったため、本来海外渡航の航空費用や、海外講演目的の翻訳などに使用を検討していたものを使用することができず繰り越しとなった。 次年度は最終年度であり、既に収集しているデータの解析、統計費用にあてがうことはもちろんであるが、解析結果の裏付けを図る目的の福次解析にあてがう予定である。
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