2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of neonatal exposure of methotrexate on cerebellum development in rats
Project/Area Number |
20K12187
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
杉山 晶彦 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (00432609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野原 正勝 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (70649996)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メトトレキサート / ラット新生児 / 小脳 / 外顆粒細胞移動 / プルキンエ細胞樹状突起 / シナプス形成・伝達 / 葉酸製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
6日齢に葉酸代謝拮抗剤メトトレキサート (MTX)1.0mg/kgの単回皮下投与を受けたラットが9、14、21日齢に到達した時点における小脳の①外顆粒細胞移動関連遺伝子群、②プルキンエ細胞樹状突起形成関連遺伝子群、③シナプス形成・伝達関連遺伝子群、④ミエリン形成関連遺伝子群の発現状況をDNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に解析した。その結果、MTX曝露ラットの小脳における外顆粒細胞移動関連遺伝子群、プルキンエ細胞樹状突起形成関連遺伝子群およびシナプス形成・伝達関連遺伝子群の発現が同日齢の健常ラットに比較し、抑制される傾向を示すことが明らかとなった。 6日齢にMTX1.0mg/kgの単回皮下投与を受けたラットが28、42、56、70日齢に到達した時点における小脳の発達状況をヘマトキシリン・エオジン染色法、ゴルジ-コックス染色法および抗Calbindin抗体を用いた免疫組織化学法を用いて病理組織学的に解析した。いずれの日齢におけるMTX曝露ラットにおいても小脳の矮小化および小脳プルキンエ細胞樹状突起の発達不全を呈する傾向が認められた。MTXの新生児期曝露によって惹起された小脳組織傷害の影響は成熟期まで及ぶ可能性が示唆された。 6日齢にMTX1.0mg/kgの単回皮下投与を受けた新生児ラットの小脳病変が葉酸製剤の投与により緩和されるか否かを病理組織学的に解析した。MTX曝露日から7日間にわたり葉酸製剤の投与を受けたラットでは小脳病変は緩和される傾向を示したことに対し、MTX曝露日の翌日または2日後より7日間にわたって葉酸製剤の投与を受けたラットでは明らかな緩和効果は認められなかった。MTX曝露による新生児ラットの小脳病変の緩和には、MTX曝露と同じタイミングで葉酸製剤の投与を開始する必要がある可能性が示唆された。
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