2021 Fiscal Year Research-status Report
赤土等流出問題を抱える沖縄県海岸部における海中生物音指標を用いた環境評価
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20K12196
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
渡部 守義 明石工業高等専門学校, 都市システム工学科, 教授 (00390477)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 赤土等流出 / テッポウエビ類 / 水中音響 / モニタリング調査 / 環境評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、沖縄県赤土等流出が海域の生物生息環境に及ぼす影響およびその対策効果を、赤土等流出水域において海中発音生物のテッポウエビ類の1分間当たりの発音回数(以降、パルス数)をモニタリングすることで明らかにすることを目的としている。コロナ感染症緊急事態宣言、まん延防止法重点措置により令和2年度の沖縄県沿岸における現地調査の実施を見送り研究計画は1年遅れている。沖縄県では令和3年度に入ってもコロナ感染が拡大し緊急事態宣言が5月23日から発令され、その後9月12日まで延長されている。このような状況であったが、本研究では十分な感染症対策を講じた上、海上の調査地点の選定を兼ねた第一回目の調査を、令和3年8月19日に宜野座湾海上の4地点と陸域の2地点にて実施し、すべての地点でテッポウエビ類のパルス数を観測することできた。本調査結果と沖縄県赤土等流出防止対策基本計画中間報告による赤土等流出状況を分析し、宜野座湾周辺海域において海上3地点、陸上1地点の定点モニタリング地点を定めた。さらに、令和2年1月の沖縄沿岸域予備調査結果をもとに、赤土等流出状況の異なる調査地点4点を定めた。これらの調査地点において赤土等堆積が少ない梅雨前の春季、赤土等流出後の夏季、台風・海流等により赤土等が拡散した冬季の年3回モニタリング調査を実施する。計画に従い、冬季調査を令和3年12月26日から28日、春季調査を令和4年3月14日から16日に実施した。数回の調査結果での評価は困難であるが、冬季の水温低下に伴うテッポウエビ類のパルス数の減少を確認した。なお、令和3年8月に発生した小笠原諸島・福徳岡ノ場の海底火山噴火に由来する軽石が沖縄沿岸部に漂着しており、これによる影響についても検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画では、赤土等堆積が少ない梅雨前の春季、赤土等流出後の夏季、台風・海流等により赤土等が拡散した冬季の年3回の調査を実施する予定であったが、コロナ感染症緊急事態宣言、まん延防止法重点措置により令和2年度の沖縄県沿岸における現地調査の実施を見送り研究計画は大幅に遅れていた。さらに沖縄県では令和3年度に入ってもコロナ感染が拡大し緊急事態宣言が5月23日から発令され、その後9月12日まで延長されている。このような状況であったが、本研究では十分な感染症対策を講じた上、調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染症緊急事態宣言、まん延防止法重点措置により研究計画が1年ずれ込んでいるが、令和3年度よりコロナ感染症対策を講じた上で調査を実施している。令和4年度以降もコロナ感染症拡大状況を注視しつつ研究活動を実施していく。現地調査は、宜野座湾周辺海域において海上3地点、陸上1地点と沖縄県沿岸部の赤土等流出状況の異なる調査地点4点の計8地点とし、これらの調査地点において赤土等堆積が少ない梅雨前の春季、赤土等流出後の夏季、台風・海流等により赤土等が拡散した冬季の年3回モニタリング調査を実施する。 研究期間は令和4年度までであるが、テッポウエビ類のパルス数の年間の変動を複数年比較検証する必要があるため、ずれ込んだ研究期間1年間分の研究期間の延長を考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症緊急事態宣言、まん延防止法重点措置により令和2年度の沖縄県沿岸における現地調査の実施を見送ったため、調査旅費および調査に係る経費を使用できなかったことで次年度使用が生じた。令和3年度は、令和2年度の予算を執行した形となっている。前項8の「今後の研究の推進方針」でも記載したが、研究期間は令和4年度までであるが、テッポウエビ類のパルス数の年間の変動を複数年比較検証する必要があるため、ずれ込んだ研究期間1年間分の研究期間の延長を考えている。このため令和4年度に生じた繰越金は、研究期間延長した場合の研究実施経費に充てる。
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Research Products
(1 results)