2021 Fiscal Year Research-status Report
The study of species sensitivity distributions (SSDs) based on morphological differeces of aquatic plants
Project/Area Number |
20K12198
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
山岸 隆博 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (30379333)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 水生植物 / 生態毒性 / 種の感受性分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに収集し、培養系を確立した水草類について、種の感受性分布(SSD)の検証にむけた生態毒性試験法の開発を実施した。 抽水植物については、植物体長に基づく生長速度をエンドポイントとした試験法を開発した。また、土壌の代用としてガラスビーズを用いた試験法を開発した。沈水植物については、ホザキノフサモ を用いた試験法OECD TG238に準じた植物体長に基づく生長速度をエンドポイントとした試験法を開発した。浮葉植物については、葉面積に基づく生長速度をエンドポイントとした試験法を開発した。浮水植物については、コウキクサ を用いた試験法OECD TG221に準じた葉数および葉面積に基づく生長速度をエンドポイントとした試験法を開発した。浮遊植物については、植物体長に基づく生長速度をエンドポイントとした試験法を開発した。 また、抽水植物に属するドジョウツナギと浮水植物のウキクサについて、3種の除草剤(ジクロベニル、ジチオピル、ジフルフェニカン)を対象にそれぞれ開発試験法を用いた生態毒性試験を実施し、感受性比較を行った。 ウキクサとドジョウツナギの毒性値は、ジクロベニルで大きく乖離し、ジチオピルとジフルフェニカンで近似した。ジクロベニルは吸収移行型の農薬であるのに対し、ジチオピルとジフルフェニカンは接触型の農薬であることから、検証した農薬は3種と少ないものの、抽水植物と浮水植物の毒性値は、吸収移行型と接触型で大きく乖離する可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の2年度の到達目標は、水草の系統分類に基づく感受性分布と水草類の体系分類に基づく感受性分布との比較検証実施に向けた、生態毒性毒性試験法の開発であり、現在まで、目標としていた種数の試験法を確立している。よって、本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
作用機序分類に基づく複数農薬の毒性試験結果から、EC50を算出し、系統で分類したデータセットに基づくSSD解析と体系で分類したデータセットに基づくSSD解析の結果から、それぞれHC5を算出することで、系統分類に基づいた感受性分布と体系分類に基づいた感受性分布との比較検証を行う。
|
Causes of Carryover |
残金が少額であり、購入可能な消耗品等がなかったため。
|