2022 Fiscal Year Research-status Report
ジフェニルグアニジンの水環境動態の解明および流出負荷量モデルの構築
Project/Area Number |
20K12214
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Research Institution | 大阪市立環境科学研究センター |
Principal Investigator |
市原 真紀子 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (60591865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敦史 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (40332449)
須戸 幹 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50206570)
浅川 大地 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究主任 (80470251)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 残留移動性有機化合物(PMOCs) / 1,3-ジフェニルグアニジン / シアノグアニジン / 琵琶湖淀川調査 / 浄水処理性調査 / 高度浄水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年7月から一年間、琵琶湖淀川水系について通年調査を実施し、琵琶湖3地点、河川水4地点、下水処理場放流水5地点、水道水2地点の計14地点で採水を行った。調査対象物質は、1,3-diphenylguanidine (DPG), 1,3-di-o-tolylguanidine (DTG), 1-(o-tolyl)biguanide (TBG), cyanoguanidine(CG), 1-(4-cyanophenyl)guanidine (CPG), N,N'''-1,6-hexanediylbis (N'-cyanoguanidine) (HCG), 1,2,3-triphenylguanidine (TPG) の7種のグアニジン類縁化合物である。分析は筆者らが開発した方法とした。DPGとCGについて水道水を除いた検出率は100%であり、DPG, CGの水環境中における広範囲な存在が示唆された。DTGとTBGは主に河川水と下水放流水から検出され、HCGは下水放流水からのみ検出された。TBG及びHCGは、我々の知る限り水環境中からの初めて検出例である。 我々の調査対象物質である残留移動性有機化合物 (PMOCs) は、一旦水環境中に流入するとその親水性から浄水処理で除去されにくいとされているが、その実態は不明である。そこで、グアニジン類縁化合物の高度浄水処理における挙動を調査した。DPG, DTG, TBG, HCG, TPGについては、原水から0.07~18 ng L-1の範囲で検出されたが、オゾン処理後の除去率は79~100%、GAC (粒状活性炭) 処理後及び浄水の除去率は99~100%であり、これらは高度浄水処理で除去可能であった。一方、CGについては浄水のCG除去率はマイナス値を示し、先述の5種とは異なる挙動を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者所属機関が令和4年11月に庁舎移転したため、移転作業に約半年間を要し、その間研究の進捗が遅れている状況である。そのため、本研究は一年延長して研究を継続予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
グアニジン類縁化合物の浄水処理性調査について追加実験を行い、浄水処理工程におけるCG濃度の上昇原因について究明する予定である。また、近畿地方の水道水源である淀川について自動採水器を用いた降雨調査を実施し、降雨イベントの前後におけるグアニジン類縁化合物の濃度変化を調査予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者所属機関が令和4年11月に庁舎移転し、その間研究がストップしたため、次年度使用額が生じることとなった。来年度は浄水処理性調査の追加調査や自動採水器を用いた降雨調査を実施予定であるため、それらの調査遂行のために本助成金を使用する予定である
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Research Products
(3 results)