2021 Fiscal Year Research-status Report
Upgrading and Search for Scientific Principles of Treatment Technology of Refractory Pollutants by Catalytic Hydrothermal Oxidation
Project/Area Number |
20K12223
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
米谷 紀嗣 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80295683)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 水熱酸化 / 触媒 / 第2遷移金属元素 / 2元系触媒 / Cu |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は昨年度に引き続きCuと第2遷移金属元素(Y, Zr, Mo, Rh, Pd, Ag)を組み合わせた2元系触媒の合成を行い、3,4-ジクロロフェノールの水熱酸化分解に対する触媒作用の評価を行った。含侵法で活性アルミナ上に各種2元系触媒を担持し、フロー式反応器内に触媒を固定して200℃、10 MPaの条件下で反応させたところ、Cu-MoおよびCu-Rhが高い触媒作用をもつことを明らかにした。XPSによる触媒の分析の結果、これらの2元系触媒では表面に露出しているCu元素の割合が高く、これが触媒作用が向上した要因の一つだと考えられる。また、触媒元素の酸化数の変化から、2元素間の相互作用によりCuカチオンの2価から1価への還元が促進されていることが明らかとなった。これによりCuイオンによるフェントン型反応が加速され、3,4-ジクロロフェノールの分解率が向上したと思われる。一方でCu-Pdは極めて低く、酸化剤である過酸化水素を消費する副反応が起きていることが原因であると考えらえれた。 次に触媒を固定する担体を多孔質チタニアに変更して同様の実験を行ったところ、Cu-MoとCu-Rhのどちらの2元系触媒においても触媒作用の低下がみられた。また、XPSの分析結果から表面に露出している遷移金属元素の濃度が低下していることが示唆された。以上のことから、担体表面における触媒金属のミクロ構造が触媒作用に大きな影響を与えていると結論付けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通りに研究は進んでいる。Cuと第2遷移金属を組み合わせた2元系触媒の評価は2021年度で完了し、現在は触媒作用を決定する要因について各種分析技術を駆使しながら調査しているところであり、すでに部分的に結果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本研究の最終年度となる。引き続き、XPS、SEM、TEM、XAFSなどの各種分析技術を駆使して触媒作用メカニズムの解明を目指す。また、触媒の合成条件についても検討し、2元系触媒の元素比率、触媒の担持量、担体の種類などが触媒作用に与える影響を明らかにしたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により参加予定の学会がすべてオンライン開催となった。そのため、計画していた旅費の支出が不要となったので繰越金が生じた。翌年度の学会参加費、旅費、物品購入費に充てる予定である。
|
Research Products
(5 results)