2022 Fiscal Year Annual Research Report
Chelating resin immobilizing polymer ligand: Addition of rapid solid-phase extraction ability for valuable elements by optimizing ligand state
Project/Area Number |
20K12237
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
加賀谷 重浩 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (50272894)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 固相抽出分離 / ポリアミン樹脂 / 元素捕捉迅速性 / 擬二次反応速度定数 / 表面開始原子移動ラジカル重合法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Grafting-from法を用い,分子量および分子密度の異なるポリアミン固定化樹脂を調製した。ポリアミン固定化密度は重合開始剤固定化量を燃焼イオンクロマトグラフィー他で決定した。また固定化したポリアミンの分子量は,溶液内で同時に重合させたポリアミンの分子量を測定することで見積もった。得られた樹脂の窒素含有量は,元素分析により求めた。 得られた樹脂を用い,回分式操作により銅(II)の捕捉における擬二次反応速度定数を求めた。ポリアミン固定化密度が小さくなるにつれ速度定数が大きくなること,ポリアミン分子量が小さくなるほど速度定数が大きくなることを明らかにした。なお,速度定数は,密度,分子量に関わらず,窒素含有量が小さくなるほど大きくなる傾向を示すことを見出した。この原因については現在検討中であるが,回分式操作による検討条件に原因がある可能性があるため,今後再検討する予定である。 流れ式操作による検討については,固相抽出カートリッジに各樹脂を充填し,一定濃度,体積の銅(II)溶液を,異なる流量にて通液してその捕捉量をもとに捕捉迅速性評価した。カートリッジへの樹脂の充填は,銅(II)捕捉容量がほぼ一定になるように,または樹脂量がほぼ一定となるようにした。分子量の異なるポリアミンをほぼ一定の密度で固定化した樹脂においては,低流量条件下ではいずれの充填量においても回分式操作によって得られた速度定数を反映した結果,すなわちポリアミン分子量の小さな樹脂が大きな銅(II)捕捉量を示した。しかし,高流量条件下では分子量の影響は小さくなる傾向を有していた。分子量がほぼ同等なポリアミンを異なる密度で固定化した樹脂においては,密度の増大とともに銅(II)捕捉量が増加した。この影響は低流量条件下で顕著であった。
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Research Products
(8 results)