2020 Fiscal Year Research-status Report
Environmentally friendly separation and concentration method focusing water function
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20K12242
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 教授 (70241114)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分離濃縮 / 環境分析 / 水及び水溶液 / 共晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
①システムの構築 導入した低温での制御可能なグローブボックスを用いて、システムを構築した。-21℃で完全凍結した対象元素を含むNaCl水溶液を5℃に制御したグローブボックス内で徐々に融解することで、融解初期の10 vol%に40-50%の対象元素を濃縮することができた。対象元素としてB,As,Alの確認を行った。KCl水溶液でも同様に濃縮でき、効率はNaClより良いと思われた。さらに詳細な検討を進めている。 ②成果の発表 成果の一部は第80回分析化学討論会で招待講演(機能水の分析)を行い、さらに機能水の分析、分析化学,69,No.12,673-677(2020)で報告した。システムの構築については、第101回日本化学会春季年会(Harmful Reagents-Free Separation/Concentration of Boron and Arsenic in environmental water) 及び第30回日本MRS年次大会(有害試薬フリーな分離濃縮システム-塩と水の共融混合物の使用-)で報告した。聴講者から興味深いとの意見、応用の際の問題点などの指摘を受け、実サンプルへの応用へ進めることが出来た。 ③応用 近隣の河川水を用いて、B及びAsの濃縮が行えることを確認した。箱根湯本付近を流れる温泉及び地層の影響を受ける早川はB及びAsを含有する河川である。サンプリングした河川水を用いて予備的な調査を行ったところ、AS,B共に濃縮出来ることがわかった。本システムを利用し、さらに条件検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
システムの構築は進んだものの、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためのキャンパス閉鎖などの影響によって、大学院生のキャンパスへの入構が前期はほとんどできなかったこともあり実験が予定通りに進められず、磁場制御のシステムの構築が未完である。グローブボックスの導入も当初予定した6月から年明けまで遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に予定していた磁場印加システムの構築からはじめる。導入したグローブボックスにより低温制御が精度良くできるため、順調に進むものと予測している。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、学会がオンライン開催となたっため、旅費の支出がなくなった。学生の入構が秋まで許可されず、夏休み等に予定していた実験が進まず、謝金の支出もなくなった。翌年度は今年度の経験を活かした活動が予定され、一部始まっており、その上で研究活動を計画しているため。感染対策を実施した上での大学院生の研究補助活動、データ整理等を実施しているための費用である。
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Research Products
(6 results)