2022 Fiscal Year Annual Research Report
野生フクロウの園地誘因とハタネズミの採食特性による果樹被害低減を目指した生物防除
Project/Area Number |
20K12253
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
東 信行 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40262977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 淳 福山大学, 生命工学部, 教授 (80399162)
笠原 里恵 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80791821)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 総合的有害生物管理 / フクロウ / ハタネズミ / 食害 / リンゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
農業における有害生物の防除は,農薬に大きく依存した方法から,天敵による生物的防除や環境改善など様々な防除手段を組み合わせて,環境負荷を低減しつつ被害を経済的に抑える総合的有害生物管理(IPM: Integrated Pest Management)への移行が求められている.本研究は,農業に対しても多大な被害をもたらすハタネズミに焦点を当て、IPM効果を評価し、ハタネズミの個体数抑制効果を検証するとともに、ハタネズミ個体群の動態、特に冬期の増加メカニズムを明らかにするものである。青森県の基幹産業であるりんご栽培において根や樹皮を食害し,数億円の経済被害を生じさせうるハタネズミを対象に,肉食の鳥類であるフクロウを用いた生物的防除の効果をすでに公表しているが、最終年度ではハタネズミの個体群動態の科学的な検証と冬期を中心とした食性解析を主たる目的とし、取りまとめを行った。 その結果、当該調査地におけるハタネズミの年間の個体群動態の特徴として、①これまで非積雪地で報告されている特性とは異なり、冬期の積雪が結果として捕食圧を低減し、冬期の個体数の増加を引き起こさせていること、②冬期の雪の下の餌資源として、リンゴ樹に加え園地下層植生の中で普遍的に存在するギシギシ類(スイバ類)が重要であることを明らかにした。この結果は、当該調査地における積雪期間の変化が、これら動物の個体群動態を左右することを示唆しており、今後進行する温暖化によって異なる生態系の応答が顕在化し、有害生物の管理に関して新たなフェーズを展開することあg示唆された。 ①の内容に関してはPopulation Ecologyに公表した。②の内容に関しては現在論文を投稿中である。
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Research Products
(1 results)