2021 Fiscal Year Research-status Report
小型家電リサイクルを事例としたプラスチック二次原料化のための定量解析
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20K12271
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 優子 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30712575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 寿一 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20396469)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小型家電リサイクル / E-waste / WEEE / プラスチック / 二次原料化 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2020年度には一般廃棄物として排出された使用済み小型家電サンプルを採取し、ラマン分光ハンドヘルド型プラスチックアナライザーを用いて組成分析を実施した。 2年目となる2021年度はプラスチック中元素の定量分析のため、分散型蛍光X線分析装置(XRF)による網羅的分析を行った。特に塩素・臭素等ハロゲンや臭素系難燃剤に付随して含有するアンチモン、顔料として小型家電に多用されると考えられるチタン等に主に着目した。 また、リサイクル技術の検討も含め、プラスチックの燃料利用の現状について調査を行った。RPFの資源性やCO2排出量への寄与度等に関する調査・検討に着手した。 一方で、小型家電リサイクルにおいて電池が大きな課題であることが明らかとなって来た。国内外で主に充電式二次電池であるリチウムイオン電池による火災が問題となっており、小型家電リサイクルと抱き合わせで電池リサイクルの課題も考えていく必要性が浮き彫りになった。そこで各種データの収集や電池関連境界との情報交換を行い、課題を整理したうえで、国内のリチウムイオン電池とそれに付随する資源賦存量推計を行った。 制度的な側面からは、特に欧州連合(EU)で近年サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルへの政策展開の動きがみられる。これらの最新動向を把握するため各種情報収集を行い、国際学会へも参加した。欧米では小型家電とそれに付随する電池の資源循環に関して、長期的な目標を立てており、カーボンニュートラルと連携させた資源循環制度、規制を次々に発効している現状について各種情報収集・整理加えて日本への制度適合性の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度も新型コロナウィルスの影響でヒアリングやサンプル採取のための出張が難しい状況が続いたが、web会議を駆使して、研究を概ね計画通りに遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はプラスチックを二次原料化するための技術課題および社会システムにおける課題を明らかにするために、実廃棄物の性状、忌避物質の含有、資源性を定量的に評価することを目的としている。これまでの研究でその実像が着実に明らかとなってきており、従来困難であった小型家電由来のプラスチックの二次原料化のための技術的課題を本年度総括する予定である。一方で、二次原料化のためには、一定品質のものを一定量集めることが必要不可欠であるが、特にわが国では集める社会システムが十分に整っていない。本年度は回収システムにも着目し、技術と社会システムとの連動性の観点も含めた研究を行う。具体的には、消費者の廃棄行動に関わる調査、収集システムに関する検討等を予定している。
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Causes of Carryover |
2021年度についても計画していた出張が新型コロナウィルスの関係で難しかったため旅費の支出がなかったもの。来年度は分析および出張をを計画的に進める。
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Research Products
(6 results)