2020 Fiscal Year Research-status Report
Resource logistic analysis forwarding closed loop of phosphorus
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20K12272
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 貴博 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30312606)
松八重 一代 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50374997)
山末 英嗣 立命館大学, 理工学部, 教授 (90324673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リン / リソースロジスティクス / 鉄鉱石 / 随伴元素 / スラグ |
Outline of Annual Research Achievements |
リンは農業用栄養塩として不可欠な資源であり、食料消費という人類の基本的活動を支える重要資源である。一方で鉄鋼生産においては、リンは低温脆性を引き起こす不純物であり、製鋼プロセスで徹底した脱リンプロセスを介して、スラグへと排出されている。リンの一次資源供給に目を向けると、地政学的リスクや鉱石の品質低下等の問題があることが懸念されており、同様に鉄鋼資源においてもリンの含有率の高い低品質鉱石の増大が懸念されている、そのような背景のもと、鉄鋼スラグがもつリン資源としてのポテンシャルに関心が集まっている、 本研究は (1) 鉄鋼資源の地質地理情報を加味した鉄鋼スラグ中のリンのマテリアルフロー解析、(2)各国・地域における鉄鋼製錬技術・スラグ処理技術についての技術サーベイを行い、随伴元素としてのリンの流れに着目したインベントリ解析、(3)鉄鋼技術・スラグ処理技術の詳細インベントリを含む多地域間産業連関マテリアルフローモデル(MRIO-MFA)の構築を行い、これらの出力成果を踏まえて、現在ならびに将来の鉄鋼素材需要の変化、鉄鋼資源供給側の質の変化等が、世界全体の鉄鋼生産に関わるスラグ排出と、そこに付随するリンの流れにどのような影響をもたらすか解析を進めている。 今年度は、分担者の山末はリン循環産業振興機構において理事に就任し、(1)(2)に関する情報集積、関係者との情報共有を積極的に進めた。また日本鉄鋼協会では環境・エネルギー・社会工学部会において「スラグ由来の人工リン鉱石」研究会(座長:久保裕也 福岡工大)に三木・山末・松八重は研究会メンバーとして参加をしており、(1)(2)について情報集積ならびに積極的な研究成果の発信につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ影響により現地調査や、海外の研究者との交流などを行うことができなかった。このため鉱山別鉄鉱石組成調査などの進展に遅れがある。ただし、文献調査などにより遅れを補完して研究は進めている。またハンドブックの分担執筆を行うなどしており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、 (1) 鉄鋼資源の地質地理情報を加味した鉄鋼スラグ中のリンのマテリアルフロー解析、(2)各国・地域における鉄鋼製錬技術・スラグ処理技術についての技術サーベイを行い、随伴元素としてのリンの流れに着目したインベントリ解析、(3)鉄鋼技術・スラグ処理技術の詳細インベントリを含む多地域間産業連関マテリアルフローモデル(MRIO-MFA)の構築をすすめる。 リン循環産業振興機構における積極的な情報発信、関係者との情報共有も引き続き行うものとし、また日本鉄鋼協会「スラグ由来の人工リン鉱石」研究会において、秋季講演大会でシンポジウムを企画、積極的な情報発信につとめる。
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Causes of Carryover |
コロナ影響により、予定していた国際・国内学会がキャンセルになり、出張旅費・参加費などの使用に予定変更が生じたため。
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