2022 Fiscal Year Research-status Report
High performance use of ground source heat using underground water flow
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20K12273
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
椿 耕太郎 佐賀大学, 理工学部, 助教 (70432961)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地中熱利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的として、地下水流動によって地中熱を高性能に利用することをあげている。地下水流動が数cm/day程度(レイノルズ数10-2程度)の非常に遅い流れを対象とする既存研究の領域外となる試みである。この条件では、対流と熱伝導の影響の比を表すペクレ数が10-1程度であり、対流熱伝達と熱伝導の影響が拮抗する伝熱現象となる。本研究の目的は地中熱利用において、流量や温度などの流動条件から長期的な熱交換量の値と変化を求める評価基準の確立、および地中における非定常な温度分布を求め、複数地中熱交換器を設置した場合での影響の検討を行うことである。 実験では、装置の水漏れや野生動物と思われる信号線の断線により、十分にデータが取れていないため、地下水流動の影響を確認できていないが、今後の実験で明らかにする予定である。また、数値シミュレーションの計算を進めた。数値シミュレーションではOpenFOAMを用いて、これまでは土壌中の地中熱交換器を地下水流れに直交して設置したモデルと並行に設置したモデルを作成していたが、本年度は角度を変えた地中熱交換器に対応したモデルを作成し、加熱条件などを変えた計算を行った。多孔質体の計算には運動方程式にダルシー則を用いて地中熱交換器の向きを変えた際の伝熱量の変化の詳細を計算した。計算結果から地下水流れに対して垂直な流れでは大きく伝熱量が変わるが、並行な流れでは影響が非常に小さいことがこれまでにわかっていた。今年度は流れの影響が小さくなる角度の範囲が並行から10°程度と小さいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で実験装置の設置が遅れた影響と、実験での水漏れや断線のトラブルがあったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置のトラブルも対策ができており、データを引き続き取っていく。また数値シミュレーションも実験データと合わせて検討をしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により実験計画が遅れたため、一年間延長している。使用計画として、実験装置を佐賀市の施設に設置しているため、施設使用料と電気代にあてる。
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