2022 Fiscal Year Annual Research Report
地熱発電具現化のためのアンチスケーリング法開発を目的としたロータス効果の応用展開
Project/Area Number |
20K12275
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
小山 幸平 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (40597845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 流体力学 / 接触角 / 濡れ性 / ピン止め力 / 液滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,材料表面への微細加工による濡れ性の制御が注目されている.金属表面に微細加工を行うことで得られる撥水効果は「ロータス効果」と呼ばれる.ロータス効果は,物体表面における固液界面の汚れ付着を防ぐことが知られている.一方,微小な柱状構造体の上部に液滴を滴下した場合,「ピン止め効果」と呼ばれる現象によりピン止め力が液滴に作用し,撥水性と同様の効果が得られる.本研究は,正/逆円錐型の試験片によってピン止め力を測定することでピン止め効果の性質を明らかにすることを目的とした. 実験では,半径0.25~1.15 mm,屈曲角が45~105°となるステンレス製の正/逆円錐台試験片を用いた.アセトンで表面を脱脂したのち,滴下した液滴の接触角を5回計測し,その平均を取った. 実験の結果,円錐半径と接触角の関係は,すべての屈曲角において直線的な変化となった.それに対して屈曲角が90°の時,ピン止め力は円錐半径の縮小に対して緩やかに上昇した.なお,屈曲角が75°,60°,45°のときは90°と同様な変化は得られなかったが,実験で計測できた最大のピン止め力はすべての屈曲角で近い値を示した.また,円錐台の屈曲角が90°および105°のとき,接触角およびピン止め力に大きな差は出なかった. 本研究では,円錐半径とピン止め力の関係を明らかにし,ピン止め力を円錐半径で表す関係式を得た.また,液滴が円錐表面に留まらず落下する理由も明らかにした.本研究の成果によって,ロータス効果を効率的に応用するための指標が得られた.
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