2020 Fiscal Year Research-status Report
新規単離藻類Chlorococcum sp.を用いた高率バイオ燃料生産系の構築
Project/Area Number |
20K12276
|
Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
大沼 みお 広島商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70594076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三角 修己 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (90583625)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 微細藻類 / 藻類バイオマス燃料 / 細胞増殖 / 油滴 / バイオディーゼル / 海上培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、微細藻類を材料に、低コスト脂質大量生産法を実験室レベルで確立して、藻類バイオマス燃料の普及・発展に寄与することである。この実現のため、本研究室では、高増殖・高脂質生産能をもつ藻類Chlorococcum sp. Nibukawa HS-Aを愛媛県鈍川温泉から単離し、高脂質生産培養系を開発している。本藻類を用いて、高脂質生産状態を維持したまま、高増殖する大量培養系を開発することを目標とする。 本年度は、Chlorococcum sp.が生産した油脂を構成する脂肪酸の定量化を目指し、ガスクロマトグラフ解析の条件検討を行った。培養条件の検討については、昨年度までに、Chlorococcum sp.が増殖阻害を受けずに油脂を高生産する液体培地を開発したが、油脂生産が試験ごとにばらつきが見られていた。本年度は、より安定に高油脂生産を示す条件を決定した。また、実験室で用いる培地は高価で実用化には向かないことが考えられたため、より安価な培養液を検討した。1Lの閉鎖系培養器を作製し、冬季に1ヶ月間海上培養を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルスの影響で2年目に予定していた、日本各地の温泉地から適所を選定して解放培養系を行うことが難しくなったため、同様に2年目に予定していた本校近郊での海上培養系を繰り上げて進めた。これまでの条件検討で、細胞増殖したまま油脂生産を増加させられるようになったが、大量培養系ではこの培地は高価なため、低価格化を目指して培地を検討した。低価格培地を用いた海上培養では、冬季海上環境下でChlorococcum sp.は死滅しなかったが、増殖速度、油脂生産効率が実験室内の培養には及ばなかったので、低価格培地と野外培養法に改善が必要であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに明らかになった改善が必要な点(低価格培地の開発など)を克服することを第一に進める。改善された培養法を用いて、本校近郊での海上閉鎖系培養と本校屋上を使って開放系オープンポンド培養の開発をすすめる。野外培養系の開発は段階的にスケールアップを行う。これまでに、海上培養では容量1Lを試験したが、今後は海上閉鎖系培養は10 Lから始め、最終的には100 L、開放系オープンポンド培養は300 Lから始め、最終的には5000 Lを安定して高増殖高脂質生産状態で培養できるようになることを目指す。また、ガスクロマトグラフ解析を改良し、Chlorococcum sp.が生産する脂肪酸の定量解析を可能にすることを目指す。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で学会不参加としたため。次年度物品費として使用予定。
|