2021 Fiscal Year Research-status Report
Market Integration Design of Renewable Energy
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20K12298
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
中山 琢夫 千葉商科大学, 基盤教育機構, 専任講師 (70623883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生可能エネルギー / FIP / VPP / アグリゲーター / 市場プレミアム |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における再エネ比率は、2019年の段階でおおよそ20%の大台が見える段階に差し掛かっている。ここにきて、これまで固定価格買取制度(FIT)によって導入が推進されてきた日本の再エネも、2022年度よりFITに加えて市場連動型の変動型FIP制度を導入することになった。 FITに代表される日本の主たる再生可能エネルギー政策は、ドイツにおけるそれを手本にして進展してきているといえるだろう。本年度の研究では、日本の現段階に適合するであろう、ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)2012時期にはいったい何が起こったのか、その後EEG2014に向けてどう変わったのか、という点を中心にレビューし、これをもとに議論を行った。 本研究を通じて明らかにしたことの一つは、ドイツにおいて VPP(仮想発電所) のような主体が出現し発展した過程には、どのような背景があったのかということである。それには、EEG2012 によって、これまで FIT 制度の下で TSO によって固定価格買取され てきた再エネが、市場プレミアム制度の下で直接市場参加することが推奨されたことが直接的に関係している。 ドイツでアグリゲーター、直接市場家と呼ばれるようなトレーダー、VPPといわれる主体が生まれ、成長してきた要因には、EEG2012で直接市場取引が推奨され、FIT水準で市場プレミアムが設定されるだけでなく、さらに直接市場取引を行うための追加的費用について、管理プレミアムが上乗せされたことが、大きなインセンティブとなっていることは明らかである。 ただし、こうした主体の形成に対して強いインセンティブとなった管理プレミアムは次第に減額されていくことになる。管理プレミアムにはバランシング費用も含まれているため、規模を持つものの方が有利になる。こうした背景から、VPP事業者の統廃合がその後急速に進むことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FITからFIPなどを通じた直接市場取引への転換は、ドイツの経験が示すように、再生可能エネルギー政策の大きなポイントとなる。日本はまさにこの段階に直面しており、今後の再生可能エネルギーの市場統合を展望するうえで、重要な論点を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍以降、世界の化石燃料資源(天然ガス、石炭、石油)の需給が大きく混乱している。さらに追い打ちをかけるように、ロシアのウクライナ侵攻が現実のものとなり、ヨーロッパでは脱ロシアの動きが急激に進展している。化石燃料の大きな輸出国であるロシア資源が、世界の化石燃料市場から閉め出されることは、火力発電の燃料市場に大きな影響をもたらす。 再生可能エネルギーの進展はめざましいが、一方で投資撤退の影響を受けていた火力発電の急速な衰退は、電力をはじめとするエネルギーの需給そのものに大きな影響をもたらしている。例えば、2022年4月の卸電力取引所のスポット取引の平均価格は、不需要期にもかかわらず前年同月の訳2.7倍にあたる17.8円/kWhであったと報じられている。この価格帯であれば、新規の事業用太陽光発電・風力発電は、FIT価格を水準とすれば、すでに市場で価格競争できる状態となっている。 さらに環境価値を加え、電力の買い手企業や需要家は、PPA等の相対取引を通じて、再生可能エネルギー電力の抱え込みに走ろうとするのではないだろうか。化石燃料の需給逼迫が、再生可能エネルギーの市場統合に与える影響についても考察する必要性がある。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、発注を予定していたコンピュータの納品が当該年度内に間に合わなかったため。
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