2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K12299
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿部 新 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (30436745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 正暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70415743)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 廃棄 / リユース / 中古品貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,廃棄に関係する市場の構造変化を捉え,短期的変動と分けたうえで,市場の安定化に関する議論を行う.2020年度は,文献,資料により近年のリユース市場全般の動向,廃棄における生産者の関わりの動向を整理した.リユース市場に関しては,供給や探索などの取引費用の減少により市場が拡大している点を指摘しているが,一方で消費構造の変化により市場が縮小している品目もあり,品目ごとに複合的な要素を捉える必要性を言及している.生産者の関わりに関しては,ペットボトル,衣料,食品を事例にいずれもここ数年でその度合いが増しているが,再生素材の使用,アップサイクル,値引きによる余剰在庫処分など物品によってその関わり方が異なることが示されている. また,欧州において使用済自動車に関する指令の改正の議論があるが,その論点の1つとして使用済自動車のフローの不透明性があり,関連する資料,データが多く出されている.EU域内の中古車貿易については貿易統計では十分に把握できないこと,域内外向けの輸出について統計に載らないケースなどが確認された.加えて,脱内燃機関車の議論が加速する動きを受けて,EUからの中古エンジン貿易量を算出し,中古車貿易との構造の違いや関係性を整理した.その際に欧州の貿易統計に外れ値が含まれる可能性を指摘した. その他として感染症による日本の中古品(自動車,2輪車,衣類,テレビ)の輸出市場の短期的な変動を整理した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
移動制限により当初想定していた資料収集ができなかったが,居住地で入手可能な資料,データにより,十分に構造を把握することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きテーマに従って構造の把握を進める.学会や誌上発表を行う.移動制限の程度に従い,今年度行えなかった資料収集を行う.
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Causes of Carryover |
移動制限により旅費を使用できなかったため.またそれに伴い予定していたモバイルPCの使用機会の見込みもなく,年度内の購入を取りやめとした.次年度の移動制限の状況を見る必要があるが,文献調査を強化するなど方針を微修正し,その購入にあてたい.
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Research Products
(8 results)