2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K12299
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿部 新 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (30436745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 正暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70415743)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 廃棄 / リユース / 自動車 / 貿易統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,廃棄に関係する市場の構造変化を捉え,短期的変動と分けたうえで,市場の安定化に関する議論を行う. 2021年度は,主として世界の中古車輸出市場の構造を捉える研究を進めた.これまでは日本からの輸出が中心だったが,日本のみならず,韓国,米国,EU,英国からの中古車輸出台数を算出し,その比較を行うことで全体の構造を捉えた.米国のように中古区分の品目の範囲が狭い国においては,未区分の品目の数量を推計することにより他の地域と範囲を揃えた.EU,英国のように外れ値が比較的多く含まれうる国ではそれらを考慮した推計方法を提示した.これらの結果,世界の中古車輸出市場の構造をより正確に捉えることができた.仕向地は世界全体のほか,アフリカに焦点を置いた比較分析も行った. 上記以外では,自動車のライフサイクルアセスメント(LCA)の研究をメタ分析に基づくアプローチで包括的にレビューした.具体的な視点として,グローバル化,社会的拡大,国の多様性の側面に着目し,自動車LCA研究の進展と限界とともに,今後の課題を明らかにした. 理論研究では,サーキュラーエコノミーの浸透により,廃棄物処理市場に関する従来型の理論的な視点がどのように変わるかを考察した.他には,EUの自動車リサイクル制度の改正に関する文献サーベイ,日本の自動車の保有構造の変化に関するデータサーベイ,若者の消費離れの構造に関する文献サーベイ,短期的変動としての2021年の新型コロナウィルス感染症の中古車輸出市場の影響を示すなどした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
専門図書館の休館や海外渡航制限など新型コロナウィルス感染症の影響は依然として残っているが,現時点で入手可能なデータや資料に基づいて,新たな角度から廃棄構造を捉えることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きテーマに従って構造の把握を進める.学会や誌上発表を行う.感染症対策の程度を見つつ,資料収集,意見交換を行っていく.
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Causes of Carryover |
移動制限により当初予定していた国外の移動を断念したため.また,オンライン会議ツールを用いることで研究打ち合わせにおいて移動の必要がなくなった.これらはさらなる資料収集のための国内旅費のほか,学会参加費,論文掲載料などに充てる.
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