2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K12299
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿部 新 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (30436745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 正暁 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (70415743)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 廃棄 / 中古車 / 貿易統計 / 使用済自動車 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,廃棄に関係する市場の構造変化を捉え,短期的変動と分けたうえで,市場の安定化に関する議論を行う. 2023年度は,前年度から継続している世界の中古車貿易の構造に関する研究について廃棄物資源循環学会において口頭発表を行った.具体的には日本,アメリカ,EUからの中古車輸出においてOECD開発援助委員会やIMFの区分を用いて開発途上国の割合を算出し,EUの割合が高いこと,その理由として日本,アメリカは再輸出拠点への輸出の割合が高いことなどを示した. また,中古車貿易関連では,アラブ首長国連邦を訪問し,聞き取り調査により日本からの中古車の再輸出先の割合を確認した.そのうえで,貿易統計と照らし合わせ,アフリカ向けの割合が高いことなどを示した.さらに,アメリカから同国への中古車貿易が多いことをフィールド調査においても確認した. 他には,静脈産業の発展構造を捉えるため,ベトナムを訪問した.同国では,かねてより存在していた自動車解体業者の集積地の位置づけを聞き取り調査により明らかにし,より都市部に自動車解体業が形成されていたことなどを確認した.その他日本について過去23年の日本の中古車輸出市場の構造的な変化,電気自動車やハイブリッド車,燃料電池車といった次世代自動車の保有や廃棄のデータの確認,高度経済成長期の日本の動脈産業の中古車市場への関わりの整理を行った.EUについてはドイツの環境庁のレポートから使用済自動車の違法処理の実態を示し,ドイツの無償回収制度下において認定業者のコストが見合わないことなどの想定された実態を確認した.これらの成果は関連業界の雑誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界の中古車貿易の構造を順調に示せている.
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Strategy for Future Research Activity |
再生資源の構造の把握を行う.これまでの成果について学会や誌上発表を行う.
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Causes of Carryover |
当初予定していた国への渡航が制限されており,次年度使用額が生じた.これについては研究成果の発表旅費に充てる計画をしている.
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