2020 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic Transition of New Social Capital for Natural Disaster Resilience in Growing Cities
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20K12307
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川本 清美 東洋大学, 情報連携学部, 准教授 (90520718)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 自然災害レジリエンス / 成長都市 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、都市化の異なる発展段階にある3つの大都市圏を対象に自然災害レジリエンスのための新しいソーシャル・キャピタル(SC)ネットワークの動的な推移を分析する。研究目的は、1)成長都市における自然災害レジリエンスのための新しいSCネットワークの形成メカニズムを明らかにする、2)自然災害レジリエンス政策シナリオ下で新しいSCネットワークをシミュレーションすることである。 2020年度は、成長都市における自然災害レジリエンスのための新しいSCネットワークの形成メカニズムを明らかにした。住民間の社会的繋がりはSCと呼ばれており、コミュニティのレジリエンスに不可欠である。一方で今日の成長都市では、他者との社会的つながりは、対面の関係から仮想の関係にシフトしている。本研究では、「新しいSCネットワーク」に着目し、ソーシャルメディア、電子メール、電話、手紙等を介して人々の間で形成される弱い仮想SCネットワークを分析した。 第1の成果として、平時は仮想SCは、個人の幸福度を表すQuality of Life(QOL)を通じて都市のレジリエンスに影響を与える構造が明らかとなった。一方で、非常時は仮想SCは、QOLを介さず都市レジリエンスに直接影響する構造であった。第2の成果として、居住地域外の友人知人との間で構成されるBridgingネットワーク上でのメディアを通したコミュニケーションは、豊かな仮想SCを形成し、都市レジリエンスを向上させる要因であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、目的1:成長都市における自然災害レジリエンスのための新しいSCネットワークの形成メカニズムを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、自然災害レジリエンス政策シナリオ下で新しいSCネットワークをシミュレーションする。 2022年度は、従来のSCと新しいSCを統合した、共助と共同行動の枠組みの提言を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)計測手法に関する改善が必要になったため (使用計画)計測手法の改善助言を受けるための旅費及びWEB調査費へ反映させる。
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