2022 Fiscal Year Research-status Report

Role of "Kifu" (Game record) in Gaming Simulation based Participative Decision Making

Research Project

Project/Area Number	20K12309
Research Institution	Chiba University of Commerce
Principal Investigator	小野聡千葉商科大学, 商経学部, 講師 (20724636)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	熊澤輝一総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90464239) 木村道徳滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 主任研究員 (90573923) 王智弘京都精華大学, その他の部局, 研究員 (60614790)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords	災害避難 / ゲーミングシミュレーション / フィールドワーク / エージェントベースシミュレーション
Outline of Annual Research Achievements	本研究はゲーミングシミュレーションを活用し、その「棋譜」が公共意思決定を支える情報をどう生成できるかを探求することを目的としている。具体的には、(A)棋譜の設計・運用・分析による情報生成の可能性、(B)異なる状況でも適用可能な棋譜とゲームデザインの検討、そして(C)棋譜手法の改善による効果を実証研究によって検証する。その一環として、小野(2022)・Ono (2022)では避難行動のシミュレーションを通じて、広域避難情報が住民の安全な避難にどう寄与するかを明らかにした。これは、意思決定の過程を記録し分析する棋譜の可能性を具体的に示すものであり、研究目的(A)に直接関連する。一方、小野ら(2022)と小野(2023, 掲載決定)では、気候変動に適応するための地域特有のゲームの開発と、それを通じた討論をサポートするという観点から、ゲームデザインの検討を行った。特に、2023年の研究では、地域のレジリエンスを向上させるための対策として、土地利用やコミュニティ機能の再編を含めた多角的な視点からの対策が重要であることを強調した。これらの成果は、ゲームデザインが棋譜をより有効に利用するために重要であることを示しており、目的(B)に密接に関連している。本研究によって、ゲーミングシミュレーションと棋譜が公共意思決定と地域の課題理解をどのように支えるかが具体的に明らかになり、それが実際のフィールドワークと密接に結びついた形で示された。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 目的AとBについては国内外への発表に足る業績、および論文投稿が完了しており、概ね順調に進展していると考えられる。目的Cについては現地ワークショップを実施中であり、その分析が2023年度において行われる予定である。
Strategy for Future Research Activity	主として目的Cについての分析作業が行われる予定である。特に高島市における気候変動適応ワークショップを通じてゲーム・棋譜・およびそれを用いたフィードバックの手法について考察をする。
Causes of Carryover	投稿準備中の論文の投稿費用、および追加調査のための旅費、国内学会への参加費・旅費のために使用する。