2022 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルな視野からとらえた日本の茶と茶文化に関する学問横断的研究
Project/Area Number |
20K12318
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
戸部 健 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20515407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 実佳 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40297768)
今村 直樹 熊本大学, 永青文庫研究センター, 准教授 (50570727)
吉田 建一郎 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (60580826)
粟倉 大輔 帝京大学, 経済学部, 講師 (60757590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 茶業 / 茶文化 / 地方文書 / 外国語文献 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の茶業・茶文化が持つ多様な影響力、およびその独自性を、グローバルかつ学問横断的な視点から改めて問い返すことで、日本茶業再生のヒントを探ることにある。最終年度である本年度は、研究内容を広く社会に公開することに重点を置いた。具体的には2022年10月に静岡市で開催された「世界お茶まつり2022」において研究報告およびパネル展示を行った。また、2023年3月には静岡大学にてシンポジウム「グローバルな視野からとらえた日本の茶と茶文化」を開催し、研究者だけでなく、茶業や行政の関係者などからも広く参加者を得た。その成果は、2024年度に論文集となる予定である。そのほかにも論文、著書、学会発表のかたちで、メンバー各自が研究成果を発表した。また、研究代表者は、静岡大学の学際科目「茶の世界」においても、自身の研究成果を発信した。 ようやく海外(台湾)での調査を行うことができたのも、本年度の成果の一つであるが、年度終了間際での実施だったため、その成果を今年度の業績に活かすことは十分できなかった。今後の課題となる。 本研究では、日本史、東洋史、イギリス文化研究の専門家が協力することで、近代における日本茶の生産→再製→輸出→販売→消費の一連の流れを、日本の地方文書、および外国語資料などをもとに検討することができた。これまでの研究では、生産であれば生産のみ、消費であれば消費のみ、というように各段階に限定した議論が比較的多かったが、本研究では全体の流れを抑えることで各段階での成功が次の段階での成功に結び付かないなど、段階同士のミスマッチなども見出すことができた。この点は大きな意義であると考えている。今後もこうした視点から研究を深めていくことで、近代における日本茶輸出の隆盛と衰退の背景について多面的に検討していく。そして、その成果を現在の日本の茶業界にも還元していきたい。
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Research Products
(12 results)