2022 Fiscal Year Research-status Report
Rural Poverty under Human Capital-Induced Economic Growth : Case Study of the Philippine Rice Farming Villages
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20K12323
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 知 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20253388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フィリピン / 農村 / 労働 / ビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請した研究計画は、フィリピンに赴き、農村調査を行い、米作農村の経済構造について明らかにする予定であったが、度重なるコロナ感染拡大の影響のため、海外等は困難となり、国内で実行可能な研究内容を行った。研究内容は、鹿児島県離島(沖永良部島)におけるフィリピン人の離島振興に与える影響である。代表者のほかに、鹿児島大学非常勤講師(ニシムラ ジョアン)、フィリピンの大学の講師(スリット アロンドラ)とともに島に定住するフィリピン人(60名プラス)のうち27名に対して雇用、ビジネスに関する聞き取り調査を行った。研究成果は、学術誌(経済学論集)、学会(国際小島嶼学会、日本島嶼学会)、新聞(フィリピンの邦字新聞の「まにら新聞」)などにおいて発表した。これらの研究成果では、定住フィリピン人が、ディスカルテ(フィリピンの言葉で生計戦略)において、生業複合(異なる職種を複数組み合わせて収入の拡大を図ること)、ディアスポラビジネス(島、全国のフィリピン人を対象としたビジネス)を行っていることを確認した。また、このようなフィリピン人の「ディスカルテ」を島や政府が支援することによって、島の日本人を含む地域振興につながる可能性があることを示した。当初の研究の関りからは、奄美群島など温暖な気候にある島々では、南方の野菜や果樹の生産が可能であり、このような自然資源と沖永良部島のような外国人の多い島という社会関係資本が組み合わさることによって新しい離島振興のモデルが構築される可能性があることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染拡大により現地調査ができなかった。そのため、研究内容を変えざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、このままコロナ感染が収まる場合は、現地調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大のため現地調査が困難となった。コロナ感染が完全に落ち着いた場合には、フィリピンでの調査を行う。そうでない場合は、国内でのフィリピン人労働に関する調査を行う。
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Research Products
(7 results)