2022 Fiscal Year Research-status Report
終末期患者に対するイスラーム的ケアの研究:イランにおける死の医療化をめぐって
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20K12326
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
細谷 幸子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (60516152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 賢太 上智大学, 実践宗教学研究科, 教授 (00281014)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イスラーム / 終末期患者 / チャプレンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度前半は新型コロナウィルス感染拡大の影響が残り、イランへの渡航が困難だった。後半に渡航を計画していたが、イラン国内でデモが多発し、訪問予定のイスファハンでも大きなデモが続いたことから、イラン渡航を断念せざるを得なくなった。そのため、現地調査は実施できなかった。代替措置として、現地で終末期のケアにたずさわる専門家と同時通訳を入れたオンライン会議をもち、事例検討をおこなった。十分な時間を確保して議論をすることで、一人の患者に対するケアの実際を深く知ることができた。 一方、イランに渡航できない状況が続いていることから、2022年度から国内のムスリム患者のイスラーム的ケアに関する調査を開始した。千葉県や愛知県で、ムスリム患者に対する宗教家のかかわりや家族・コミュニティ・メンバーによって実践されているケア等に関し、予備的な調査を実施した。 また、イギリスでムスリム・チャプレンの活動について調査をした他、ヨーロッパ各国で移民として暮らすムスリムの患者たちに対する宗教的サービス提供の実際や、モスク等を介したムスリム・コミュニティでの保健医療分野に関連した実践等について、文献調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響が続いた上に、イラン国内でデモが多発したため、イランへ渡航することがかなわず、参与観察やインタビュー、ペルシャ語関連資料の収集などを実施することができなかった。また、学内の人員不足による業務負担増加により、調査研究活動に十分な時間を確保することが困難な状況にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はイランにこだわらず、国内やヨーロッパ各国におけるムスリム患者に対するケアの実際を調査することにより、イスラーム的ケアの広がりを理解する方向性で進める。オランダ、イギリス、千葉県、埼玉県、大阪府、愛知県、群馬県等での調査を予定している。また、オンラインでの情報収集や文献検討もおこなう。さらに、イスタンブールで開催される国際学会に参加し、中東の研究者と情報交換をおこなう。 イラン国内の状況は、オンライン会議や文献調査等も駆使して、現状理解に努める。
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Causes of Carryover |
細谷が2022年11月にイラン渡航を計画していたが、イラン国内で反政府デモが多発し、諸関係機関から渡航中止をすべきとのアドバイスを受け、渡航を断念せざるを得なかった。そのため、イラン国内での調査ができず、旅費や現地謝金等の支出がなかったことが理由である。
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Research Products
(7 results)