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2022 Fiscal Year Research-status Report

An ethnographic study of neighborhood seen from the practice of care in Berlin

Research Project

Project/Area Number 20K12338
Research InstitutionNational Museum of Ethnology

Principal Investigator

森 明子  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (00202359)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsケア / ネイバーフッド / ベルリン / ジェントリフィケーション
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、移民が多く住むベルリンのインナーシティをフィールドとして、現代都市の街区の社会的連帯を、ケアの視点から記述する民族誌研究である。現代世界における市民的共同性として想像されているものを明らかにすることを目的としている。当初予定していた現地調査は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、前年度にひきつづいて困難であった。そのため、計画を部分的に変更して、理論的な研究を当初計画よりも深化させる方向ですすめている。
本年度は、オンラインで入手した新しいデータと、これまで行った現地調査で蓄積したデータをあわせて、グローバル化する世界における社会編成やケア論を洗い直し、再分析をすすめた。ケアの与え手と受け手の関係は、サービスのやりとりとしてだけでみるならば、平等ではありえないが、ケアのメカニズムは、この不平等な関係をヒエラルキーとして固定化させないことが特徴的である。経済的な不平等関係を、社会的な不平等関係として固定化させないメカニズムは、どのように作動し、あるいは、どのような状況で作動しないのか。このことを、さまざまなアクターのあいだに、どのようなからみあいが起こっているのかということから、明らかにしていこうとする。そこで、調査地街区の開発当初から所在する市場複合体の、21世紀にはいってからの再編成がどのように展開していったか、その過程を民族誌的に明らかにすることに焦点をあてる。再編計画をめぐる議論、運営と利用、その評価について、さまざまなアクターがどのように出会い、からまりあっているのか、分析をすすめた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウィルス感染拡大のために、予定していた現地調査ができなかったことによる。現地調査に代わって、オンラインによって現地の情報を収集することにつとめた。また、これまで収集した調査データを洗い直し、再分析した。また、ケア、アッセンブラージュ、不平等、部分的連帯などをめぐる理論的研究について再検討することに力を注いだ。国内のさまざまな研究会において、他の研究者との意見交換を多く行った。これらによって、やや遅れがちではあるが、充実した研究ができている。

Strategy for Future Research Activity

研究の基本的な方向は、現地調査をもとに、オンラインも利用しながら調査データを集積し、分析していくものであるが、当初計画よりも、理論的な研究としての性格を強くした軌道修正を行っている。文献研究とデータ分析から、理論研究としての展開をはかっていく。その際に、ケアの実践に注目して、文化人類学のケア研究としての展開も意図している。ここから、社会的なものの編成についての理論的な貢献をめざす。コロナ禍のもとでの計画変更のなかで、可能な調査研究の方途をさぐりつつすすめている。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、海外における現地調査を行うことができなかったため、海外現地調査で使用する予定の予算に関して、大きな変更が生じた。現地調査にかわっておこなったデータの整理・分析に、一部の予算を使った。これによって生じた次年度使用額は、次年度に計画している海外調査を、より充実して行うために使用する。また、データ整理のための経費も使用する予定である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (4 results) Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] カリフォルニア大学 バークレー校 人類学部門/マサチューセッツ大学 アマースト校 人類学部門(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      カリフォルニア大学 バークレー校 人類学部門/マサチューセッツ大学 アマースト校 人類学部門
  • [Int'l Joint Research] ウィーン大学 社会・文化人類学部門(オーストリア)

    • Country Name
      AUSTRIA
    • Counterpart Institution
      ウィーン大学 社会・文化人類学部門
  • [Int'l Joint Research] トリノ大学 文化政治社会学部門(イタリア)

    • Country Name
      ITALY
    • Counterpart Institution
      トリノ大学 文化政治社会学部門
  • [Int'l Joint Research] オスロ―大学 社会人類学部門/オスロ―大学 地域医療国際保健部門(ノルウェー)

    • Country Name
      NORWAY
    • Counterpart Institution
      オスロ―大学 社会人類学部門/オスロ―大学 地域医療国際保健部門
  • [Journal Article] Family Potential in Uncertain Times: Introductory remarks2023

    • Author(s)
      Akiko Mori
    • Journal Title

      Minpaku Anthropology Newsletter

      Volume: 55 Pages: 1-5

    • Open Access
  • [Journal Article] 書評論文 大門正克・長谷川貴彦編著『「生きること」の問い方―――歴史の現場から』2022

    • Author(s)
      森明子
    • Journal Title

      歴史評論

      Volume: 872 Pages: 89-93

  • [Presentation] Introduction of the symposium on Family Potential in Uncertain Times2023

    • Author(s)
      Akiko Mori
    • Organizer
      International Symposium of Special Research Project ‘Family Potential in Uncertain Times. Mobility, Technology, and Body’
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 社会的なものを考える空間的な視座について2022

    • Author(s)
      森明子
    • Organizer
      国立民族学博物館共同研究会『不確実性のなかでオルタナティヴなコミュニティを問う――モノ、制度、身体のからみあい』
  • [Remarks] ケアから見たベルリンのネイバーフッドに関する民族誌的研究(2020-2023)

    • URL

      https://www.minpaku.ac.jp/post-project/13184

URL: 

Published: 2023-12-25  

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