• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

越境移動と国民意識の変容ー中国朝鮮族の家族観の変化からー

Research Project

Project/Area Number 20K12359
Research InstitutionOsaka University of Economics and Law

Principal Investigator

林 梅  大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20626486)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鄭 雅英  立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords移動と再移動 / 家族観 / 国家 / 民族
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、中国の少数民族の一つである朝鮮族を事例に、朝鮮半島から中国東北へ、そして中国東北から日本・韓国へという移動と再移動の連続性に着目して、その越境移動・移住の過程で形成・変容された国民意識を、家族観の変化と関係づけて明らかにすることを目的としている。要するに生活者の立場から国家や民族を問い直そうとする試みである。
関連する今年度の業績は、下記の二つの側面からまとめることができる。
まず、研究業績につていである。①出版図書「文化の客体化」(林『環境社会学事典』「観光と環境の社会学ー文化の客体化」丸善出版2022)がある。本研究は従来の「純粋な文化」概念の批判的考察から「文化の客体化」という概念を提起することで、「生活者の立場」から国家や民族を問う意味を明らかにしている。②続いて、未公開の論文「移民の家族観の変容ー在日中国朝鮮族の老親扶養の観念に着目して」がある(来年度に発表を目指す)。③さらに学生運動の経緯を踏まえてその当事者、特にマイノリティの立場から国家と民族を再考することを目指す業績がある(鄭「中国朝鮮族の1960年代-文化大革命へのプロセスと少数民族の試練」、大阪市立大学経済学会『經濟學雑誌』第123巻2号、2023年3月/「私のハンパな履歴書」、立命館大学経営学会『立命館経営学』第61巻第6号、2023年3月)。
次に、調査実施についてである。新型コロナウイルスによる海外渡航の制限が長引くなか、本研究で最も重要な海外調査が進んでない状況にある。だが、国内移動が緩和されたことを受けて、本研究の研究対象になる、1990年代から2000年代に日本に移動・移住した在日中国朝鮮族のコミュニティに関する参与観察やインタビュー調査は継続的に実施している(林)。同時に、学生運動や動乱などの非常時における歴史や文学作品などの資料収集の作業と分析も続けている(鄭)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

従来の計画としては、令和2年度と令和3年度の海外調査をもとに、令和4年度には総合的な整理と分析を目指していた。具体的には、2022年8月~2023年3月補足的な調査(研究総括の状況に合わせて対応)、公開的研究会2回、関連研究者を招へいして総括的なシンポジウムを開催(東京・大阪と中国の延辺)を予定していた。
だが、新型コロナウイルスによる海外渡航の制限が長引くなかで、海外調査がほとんど実行できでない状況にある。昨年度は国内移動の緩和を受けて国内調査とオンラインで実行可能な調査を実施しているが、本研究が目指している「移動と再移動」の経路をたどる海外調査ができでないために、研究が計画通りに進んでいない状況にある。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルスによる海外渡航の制限が緩和されたことをうけて、今年度は令和2年度と令和3年度に予定していた海外調査を中心に研究を推進する。
具体的には、①中国の延辺における中国朝鮮族の移動と定住化に関連する歴史資料の収集とインタビュー調査、②韓国における在韓中国朝鮮族の移動に関連する参与観察とインタビュー調査、③中国の延辺・黒龍江省における中国朝鮮族の再移動・再移住に関するインタビュー調査、④韓国における在韓中国朝鮮族の定住に関する参与観察とインタビュー調査などである。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルス感染症により海外渡航が制限されるなか、本研究に最も必要な海外調査が殆ど実施できなかったことが主な理由である。
使用計画は、新型コロナウイルスによる海外渡航の制限が緩和されたことをうけて、今年度は令和2年度と令和3年度に予定していた海外調査を中心に、関連書籍の購入などにあてる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「中国朝鮮族の1960年代-文化大革命へのプロセスと少数民族の試練」2023

    • Author(s)
      鄭雅英
    • Journal Title

      『經濟學雑誌』

      Volume: 123 Pages: 81-102

  • [Journal Article] 「私のハンパな履歴書」2023

    • Author(s)
      鄭雅英
    • Journal Title

      『立命館経営学』

      Volume: 61 Pages: 201-214

  • [Presentation] 「中国の民族政策と在中朝鮮族」(コメンテーター)2022

    • Author(s)
      鄭雅英
    • Organizer
      韓国建国大学、立命館大学コリア研究センター、中国海洋大学韓国研究所ほか主催「2022 統一人文学世界フォーラム」
  • [Presentation] 「MZ世代の登場と変容する韓国社会」(司会者)2022

    • Author(s)
      鄭雅英
    • Organizer
      国際高麗学会日本支部2022年度学術大会
  • [Book] 観光と環境の社会学ー文化の客体化2022

    • Author(s)
      環境社会学事典
    • Total Pages
      3
    • Publisher
      丸善出版

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi