2022 Fiscal Year Research-status Report
Hierarchy of the urban labor market in china :with increacing number of sharing economy workers
Project/Area Number |
20K12360
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
小原 江里香 久留米大学, 経済学部, 准教授 (30400203)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 労働市場 / 中国 / シェアリン・グエコノミー / ギグ・ワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国での現地調査を予定していたが、中国での調査実施が厳しい現状をふまえ、現地での調査を断念し、「問巻星」と呼ばれる調査プラットフォームを活用した予備調査を実施した。また、本研究テーマと関連のある先行研究を収集・整理し、論点の整理を進めた。 中国では農村人口の都市への移転が政策的に推進されており、農村出身者(農村戸籍者)の都市社会への統合が重要な課題の一つになっている。また、デジタル経済の浸透が進む中国都市労働市場では、配車運転手やフードデリバリーなどインターネットプラットフォームを利用した就業者が急増している。本研究ではこうしたプラットフォームを利用した就業者の増大が都市労働市場に与える影響を分析するが、その際、企業などの組織に属さずに実態のないプラットフォームを利用して就労する農村戸籍者の急増は、都市社会への統合を阻害するばかりではなく、都市内部の二元構造を固定化するとの仮説にたち、調査票調査をオンラインで実施した。調査地域は四川と重慶の内陸地域、広東と福建の華南地域、黒龍江、吉林、遼寧の東北地域の3地域とし、調査対象者は都市部就業者とした。調査項目は、年齢、性別、学歴、婚姻状況、戸籍情報の他に、転職、社会保険の加入状況、収入に関する質問を中心に構成した。 データの初歩的な分析を行った結果、収入や社会保険の加入状況については農村戸籍者の方が都市戸籍者のそれよりも低い傾向が読み取れた。ただし調査の回答者自体が、若年の女性、大学卒以上の高学歴者、正規の雇用契約者に偏っており、本研究が着目するプラットフォームを利用した就業者に関するデータは十分に収集できなかった。 今回初めてオンライン調査を利用したが、サンプリングに偏りが生じることがわかった。本調査の際にも一部でオンライン調査を実施予定であるが、結果の偏りを避けるために、「流動人口数据平台」の利用を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査の実施が厳しい状況が続いた。ただし、オンライン調査を利用して予備的調査を行ったので、大幅な遅れを免れた。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査の結果を踏まえて、再度調査内容を検討する。同様のオンライン調査の実施及び、「流動人口数据平台」を含め別のデータベースの利用を検討する。
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Causes of Carryover |
調査は全てオンライン上で行い、現地渡航をしなかった。次年度についても渡航が難しい場合には同様のオンライン調査を行う。また関連するデータベースの購入を予定している。
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