2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Process of Ethnic Art Generation--Tompa Culture to be Resources with Tourism in Lijiang, Yunnan Province, China
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20K12361
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
高 茜 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 外来研究員 (90836404)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アート・デザインの越境 / 現代木彫芸術 / 文化交流 / 民芸 / 観光 / 文化遺産 / 日中造形の比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年度は、麗江ナシ族芸術文化に対する日本における文化理解、およびナシ族文化と日本との交流などについて、1990年代から現在に至る実態の解明を中心に研究を進めた。同時に、多元的な文化観を有する現代社会のもとに置かれた麗江ナシ族たちの芸術的造形活動に関して、事例研究としてまとめた。 具体的には、日本において文化交流上に関連した個人や地域を訪れ、調査を行った。例えば、1996年の麗江大地震の際に麗江へ支援が行われたことをきっかけとした様々な文化交流活動の実態について調査し、その意義について考察した。調査の結果、このような文化交流を通じて麗江へ訪問した人々が、後に日本各地で麗江文化を紹介する事例も存在していることがわかった。麗江と姉妹都市関係にあるまちの調査では、両都市の文化、とりわけ木彫芸術や観光客向けの手工芸について比較を行い、その共通性などについて考察することができた。それらの成果のうち、麗江ナシ族木彫の作品テーマ・視覚造形について、考察結果をまとめることができた。 日本でのナシ族トンパ芸術文化に関連する調査や民藝講座の参加は、「日中両国の民芸」という視点から、現代の民芸について考える機会ともなった。グローバルな観光業のもとに置かれた麗江と日本、双方の現代民芸の事例を研究することができ、今後の研究を展開する上で、重要な基礎となる成果を得ることができた。 最後に、ナシ族の文字が国際連携の文化教育活動に、「象形」での意味伝達が国境を越え注目されることを確認した。
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